フジテレビ新社長就任でも続く日枝氏の独裁体制!
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「今回のトップ人事はまったくの予想外。特に、社長に関しては異例の大抜擢でした」(経済部記者)
先月16日、フジテレビは豊田皓常務の新社長就任を発表した。
「豊田氏がその知らせを聞かされたのは、わずか1週間前のことだったそうです。自らも周囲には『今回の人事は青天の霹靂』と語っていました」(同)
新社長となる豊田氏は、71年に成城大学を卒業後、フジテレビに入社。20代から30代の間、社会部記者として報道に携わり、97年に営業局長、01年には取締役に就任。近年は、主に営業面の仕事に従事していたという。
「総務から制作、営業までを経験しているため、組織を熟知しています。作家の椎名誠とも深い交流があったりと、人脈も幅広く、性格も温厚。また、大の読書家で、学生時代には小説やシナリオを書いていたようです。労組上がりの日枝久会長とは、正反対の人物なのですが、それがテレビ局の経営者として、吉と出るか凶と出るか……」(フジテレビ関係者)
そんな豊田氏の大抜擢の陰で、涙をのんだ人物が2人いる。宮内正喜専務と山田良明常務だ。
「当初、社長には、この2人のどちらかが選ばれるとみられていました。しかし、宮内氏は系列局の岡山放送の社長となり“都落ち”。まあ、宮内氏は、社内でも『今のポストは、日枝氏へのゴマすりのおかげ』と陰口を叩かれるなど、評判はよくありませんでした。昨年の株主総会で株主からの質問に対し、事前に用意された台本を棒読みするだけで、経営者としての資質は皆無。 一方で、山田氏は、滝川クリステルらが所属する総合制作会社、共同テレビジョンの社長に。ライブドア騒動の後には、同社の社外取締役として業務提携や折衝に当たっていましたが、結局のところ彼は典型的な“テレビバカ”。月9トレンディドラマ・ブームや『北の国から』『白線流し』など、数々の名作ドラマを手がけた実績を持ち、非常に優秀なテレビマン。ですが、経営者としての器はなかった、ということなのでしょう」(同)
また、豊田氏の就任に伴い、村上光一社長の退任も決定。今月28日に行われる株主総会後、相談役に退くという。
「フジ側は、『3期6年の任期満了による退任』としています。同社の業績は好調で社長時代、局の広告営業や制作を管理していた村上氏は、その功績により〝ポスト日枝〟の最有力候補に挙がった人物。そのため退任後は、会長もしくは副会長への就任が確実視されていました。それが代表権を失い、取締役にすらとどまれなかった。これはライブドア騒動やあるある事件の責任を取らされた形とみていいでしょう。退任発表の会見の席でも、記者から『なぜ会長にならないのか?』との質問がありましたが、『結果としてならないということだ』と語るのみでした」(同)
さらに、今回のトップ人事では、豊田氏のほかにも抜擢登用があった。
「チーフプロデューサーとして『めざましテレビ』などの番組を手がけた、鈴木克明編成制作局長と作家・遠藤周作の息子としても知られる遠藤龍之介広報局長が取締役として入閣。これは世代交代のポーズとも受け取れます。しかし、それは場当たり的なツギハギ人事と言わざるを得ません。結局のところ、日枝氏に害を及ぼさないような人物ばかりが登用されるなど、“ポスト日枝”の方向性が全く見えてこないからです。また、日枝政権になって15年、同社では経営力のある人間がまったく育っていないことも明らかになりました」(前出の経済部記者)
別のフジテレビ関係者も、このように指摘する。
「会長候補だった村上氏らを飛ばす一方で、自らは会長に留任。一連のトップ人事を断行したのは、日枝氏自身です。彼は、死ぬまで会長を続ける気なのかもしれません。しかし、社内からは、計画性のない人事に『フジテレビの将来のことを本気で考えているのか?』と、非難の声も上がっています」
混迷する“ポスト日枝”の擁立問題は、フジにとって視聴率4冠を守るより難題なのかもしれない。(大崎量平/「サイゾー」7月号より)
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