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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 自転車図書館があなたの街にもやってくる?

自転車図書館があなたの街にもやってくる?

 一台の自転車の後ろに、なぜかくっついている大きな水車……。これは一体何!? その正体は、移動式の「自転車図書館」。水車におすすめの本を入れ、自転車で全国を縦断しているというこの図書館の館長、土居一洋さん(28)に、話を聞いた。

 3年前の春、土居さんは『百年の愚行』という一冊の本に出会った。この本は、20世紀に、人類が犯してきた愚かな過ち……戦争や環境破壊を、まざまざと見せつけられる、強烈な写真集だ。ページをめくるたびに衝撃を受け、「多くの人にこの事実を知ってもらいたい」と強く思った土居さんは、行動を開始した。現在彼は、日本中のすべての図書館を1軒1軒自転車で回り、この本を置いてもらえるようお願いをし、寄贈しているのだ。

「なんでもそうなんですけど、僕たちは無意識に選んでる。どこのカフェでごはんを食べるか、どこのブランドの服を買うか……それと同じように、要は環境問題も、自分で環境のために何をするか、選ぶってことだと思います」

 土居さんはあくまで、考えるきっかけを与えているにすぎない。

「悲惨な現実があって、その原因はどこにあって……と知ることで、読んだ人にはその人なりの選択をしてもらえるんじゃないかな、と思っています。地球に優しくとか、自然を大切にとか、言うのは簡単だけど、何が問題なのかを知っているのと知らないのとでは、行動が違ってくると思うので」

 彼の清々しい笑顔に街で偶然出会えたら、あなたも1冊、借りてみてください。(下戸山うさこ/「サイゾー」7月号より)

土居一洋 
1978年徳島県生まれ。「じてんしゃ図書館」館長。URL:http://asobook.nomaki.jp/

最終更新:2008/06/06 15:17
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