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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 2ちゃんデータ漏えい事件
ITライター柳谷智宣の「賢いネットの歩き方」第25回

国内ネット史上最悪! 2ch個人情報漏えい事件でねらー発狂中

20130831.jpgイメージ画像(「Thinkstock」より)

 8月25日(日)の深夜、匿名掲示板「2ちゃんねる」で祭りが起こった。最近トレンドの、アルバイトによる炎上ではなく、「●」(通称:まる)の情報が漏えいしたというのだ。「●」は、「2ちゃんねるビューア」(http://2ch.tora3.net/)で利用されているサービス。●を購入すれば、2ちゃんねるの過去スレッドを閲覧したり、規制中のプロバイダーからも書き込むことができる。価格は年間33ドル(約3,200円)で使い放題だ。規約で禁止されている住所などの個人情報を書き込む輩がいると、そのプロバイダーすべてのユーザーが2ちゃんねるに書き込めなくなってしまうのだが、最近は多くのプロバイダーが規制を受けており、●がないとろくに書き込めなくなっていた。今回の漏えい事件は、●を買う人が増えてきたタイミングで起きた、国内ネット史上最悪のトラブルなのだ。

 流出した情報は多岐にわたる。匿名掲示板の2ちゃんねるで発言者が同じことを証明するためのトリップの情報、●のIDとメアド、ここ2年間の●購入時の個人情報とクレジットカード、IPアドレス、そしてここ2カ月分くらいの書き込み履歴だ。それぞれ別ファイルにまとめられており、すでに入手は難しくなっているが、それでも数え切れない人によってこれらの情報をダウンロードされている。

 個人情報とクレジットカードがセットで流出しているため、まずは金銭的被害が考えられる。しかし、いくつかの大手銀行は利用者の口座を24時間監視し、不正利用された場合でも負担をかけないと発表した。いち早くカードを止め、再発行手続きを行えば問題ないだろう。

 問題は、すべてのデータをリンクさせて細かく分析すると、2ちゃんねるへの書き込みと個人情報がひも付けられてしまうこと。これがどうして重大なのかわからないなら、常識人の幸せ者。“便所の落書き”といわれてきた2ちゃんねるの膨大な罵詈雑言を、誰が書いたのか丸わかりになるのだ。心当たりがある人は、漏えい事件を知ったときに人生終了の鐘が聞こえたと思われる。

 自分が勤めている会社の悪口や内部情報を書き散らした者。会社では責任のある地位にいるのに、子どもみたいな書き込みを連発した人。アウトなエロ画像・動画を張りまくった人。他人のプライバシーを侵害したり、脅迫した輩。掲示板を荒らしまくったバカ者。これらすべてが、本名とメールアドレスとセットでバレてしまうのだ。顔面蒼白では済まない。

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