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週刊アニメ時評 第46回

公式自ら“作画崩壊”宣言『スパロウズホテル』1期は、本当にダメアニメだったのか

sparow.jpg右がSEASON1、左がSEASON2(テレビアニメ『スパロウズホテル』公式サイトより)

 味がありすぎる作画とドライブ感あふれる内容で、一部のアニメファンの間で中毒患者を続々と生み出しているのが、現在放送中のアニメ『スパロウズ・ホテル』(ニコニコ動画、AT-X、KBS京都、テレ玉など)です。

 本作は、繁華街のど真ん中に立地するビジネスホテルを舞台とした「まんがライフ」(竹書房)連載中のコミック(原作・山東ユカ)を原作とする、およそ3分間のショートアニメ。本作は第1話放送直後に、公式サイトに「一話から作画崩壊しておりますが、DVD商品ではディレクターズエディションとして、全話数の作画・キャラクターデザインを一新します。先ずは、あたたかい目でお見守り下さいますと幸いです」というコメントを掲載。公式自ら「作画崩壊」を認め、異例の全話リメイクを放送開始直後に発表し、アニメファンを驚愕させました(現在は「作画崩壊」に関する文言は削除されている)。

 「公式で作画崩壊を認めるのか」と、この状況を面白がる声が上がる一方で、「仕込ではないのか」「話題づくりでは」と指摘する声もあり、この一連の出来事は多くがアニメ系まとめサイトやニュースサイトを賑わせたことを覚えている読者も少なくはないのでは?

 その後、本作は第6話をもって「SEASON1」を終了。第7話より「あいまいみー」を手がけた、いまざきいつきを監督・脚本・キャラクターデザイン・絵コンテ・演出・作画に迎えた「SEASON2」をスタートさせたわけですが、両シーズン間の違いは主に以下のとおり。

・90年代のギャルゲーを彷彿とさせるトラディショナルなタッチのキャラクターデザインの「SEASON1」に対し、「SEASON2」はいわゆるここ数年の「萌え」文脈に則ったキャラクターデザインへとリファイン。

・作画が安定しなかったりやたら動画枚数が少ない「SEASON1」に対し、「SEASON2」の作画は全体的に安定し、動きも心なしかなめらかな仕上がりとなっている。

・「SEASON1」はともすれば不条理ともとられかねない唐突でハイテンポな展開やギャグが多かったが、「SEASON2」はキャラ描写やストーリー構成が比較的丁寧に。

といった具合に、とがりまくっていた「SEASON1」に対して、全体的にマイルドに、より多くの視聴者に受け入れられる内容に軌道修正したのが「SEASON2」といえます。

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