東京ビッグサイトが『黒子のバスケ』同人誌即売会を容認へ
#黒子のバスケ
昨年12月、コミックマーケットが史上初のジャンル丸ごと中止の決断を余儀なくされた『黒子のバスケ』脅迫事件。今年に入っても東京ビッグサイトの対応は変わらず、『黒子のバスケ』を扱うオンリー即売会の中止、即売会内での関連サークル出展の見合わせが相次いできた。
ところが、4月になり東京ビッグサイトは「漫画『黒子のバスケ』にかかる一連の脅迫事案への対応について」(http://www.bigsight.jp/info130403.html)と題する文書を発表。5月以降のイベントについては「通常の対応」を行うとした。年度が変わった途端、大きく方針が転換された理由は何か?
今年に入り、新たに脅迫状が送付される事態が見られなくなる中で、東京ビッグサイトの方針は混乱していた。3月17日に開催された同人誌即売会「HARU COMIC CITY18」では、主催する赤ブーブー通信社に対して「事態に収束の兆しが見受けられず、依然としてリスクを伴う」として、『黒子のバスケ』関連サークルの出展見合わせを要求し、受諾させていた。
ところが、翌週の3月21~24日に開催された「東京国際アニメフェア」では、会場内に堂々と『黒子のバスケ』のポスターが掲示されていたのである。そのため、一部の関係者からは「東京都主催ならいいのか?」と疑念の声も挙がっていたのである。
消息筋によれば「イベント開催に脅迫状がつきものというのは東京ビッグサイトも理解しており、『黒子のバスケ』を再開するタイミングを探っていた」と話す。『黒子のバスケ』が前例となって、脅迫状が原因で催事が中止になるのは、東京ビッグサイトとしても避けたいところ。ゆえに、年度の替わり目を契機にしたのではないかと見られている。
ここで気になるのは、8月に開催が予定されている「コミックマーケット」が、どのような方針を取るかだ。さまざまな情報から推測すると、「コミックマーケット」でも『黒子のバスケ』の再開は、ほぼ確実と見られている。一部の報道では、再開しても「入場導線の個別化」や「手荷物検査」「警備員の増員」と、「コミックマーケット」の警戒レベルは極めて高くなるのではないかという憶測も流れている。だが、信頼できる情報筋は、そうした憶測に否定的だ。
「コミックマーケットがそこまで警戒レベルを高めるのは非現実的。(以前も、脅迫が原因で行われたことのある)“手荷物検査”くらい」
これまでの騒動の過程でも「脅迫犯に目撃される可能性があるから、会場で『黒子のバスケ』に関するものを見せるな」といった、勝手に参加者の間で警戒レベルが上昇していく動きもあった。まずは、主催者の発表を冷静に判断するのが、参加者の義務。勝手に警戒レベルを増幅させる動きに荷担していないか、我々メディアの側も注意しなくてはならない。
(取材・文=昼間たかし)
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