秋元康をも蹴散らした! 防弾少年団を守る親衛隊「アーミー」の実態
――2018年、アジア音楽史に歴史的な記録を打ち立てたアイドルグループ「防弾少年団(BTS)」。彼らの何がそんなにすごいのか? アジアのみならずアメリカも熱狂させる、防弾少年団とK-POPの“凄味”を研究する!
特集1「世界的ブレイク!――防弾少年団がアメリカを制する日」はコチラ
(絵/サイトウユウスケ)
今年9月16日、防弾少年団と秋元康による初のコラボレーションが急遽中止された。その原動力となったのは、韓国のファンたちだ。同13日、日本でのニューシングル曲「Bird」で作詞を秋元康が担当すると告知が出ると、すぐさまツイッターで炎上。夕方には「右翼、女性蔑視にかかわる作詞家とのコラボはイメージダウンにつながる」として即時中断などを求める声明文が出された。これを受け、所属事務所は「ファンの皆さんの憂慮は十分に認知している」としたうえでコラボの中止を発表した。
防弾少年団はファンを「防弾チョッキと共にある存在」という意味で「ARMY」(アーミー)と呼び、デビュー以来、何よりも最優先してきた。そのせいか、彼らのファンは熱狂的かつ過激だ。
例えば本国では、冒頭のような要求は今までも行われてきた。メンバーの過密スケジュールや女性差別と思われる歌詞に対して、ファンはSNSの投稿や事務所の壁に付箋を貼る行為、不買運動などの形で声を上げ、対応を求めてきた。またSNS上では、同じく絶大な人気を誇るアイドルグループ・EXOや、防弾少年団メンバーと熱愛の噂があった芸能人に対して、日常的に誹謗中傷や殺害予告が送られる。空港やホテルなどまでメンバー本人を追い回すファンもおり、メンバーであるVの祖父の葬儀にはファンが詰めかけた。
こうしたARMYの熱は日本にも波及し、原宿のLINEストアに期間限定でコラボ商品が並んだ際、禁止にもかかわらず前夜からファンが長い行列を作り、警察が出動。オープン当日の朝には、日本だけでなく中国、韓国を中心に全世界から集まったファン約6000人が、明治通りから表参道までを占拠した。ほかにも、2018年4月に横浜アリーナで開催されたファンミーティングでは、グッズ販売の列に並んでいた中学生の女子が、急に走り出した後ろのファンたちに押されて転倒し、数十人に全身を踏みつけられてケガを負うという事件もあった。
ただ、ファンたちの情熱が防弾少年団を押し上げたのもまた事実。彼らが世界に知られるきっかけとなった「ビルボード・ミュージック・アワード2017」で「トップ・ソーシャル・アーティスト賞」を受賞したのは、SNS上で結託したファンたちが総力を挙げて投票に励んだおかげなのだ。とはいえ、最近では、全米ビルボードチャートに影響するストリーミングサービスの再生回数を、ファンたちが不正に稼いだとして問題視され始めている。強く結びつきあい、共依存関係に陥る防弾少年団とARMY。その絆はいつまで続くのだろうか。
<明日以降もBTS総力特集は続きます!>
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