“8人の峰不二子”が活躍する『オーシャンズ8』女を消耗品扱いにしてきたハリウッドへの挑戦状!!
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サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェットら8人の女たちが完全犯罪に挑む『オーシャンズ8』。ジョージ・クルーニーが主演した『オーシャンズ』シリーズの11年ぶりとなるスピンオフ作品だが、メンバーが全員女性となったことで彼女たちが犯罪を企てる動機が明白となっている。男性社会の中で培われてきた常識に縛られることなく、いつまでも輝き続ける女でありたい。そのために彼女たちは、カルティエの地下金庫から世界最大のダイヤモンドを盗み出すことに挑む。もちろん、血はいっさい流すことなく。絶対不可能なことを、頭脳とスキルと大胆さで覆してみせる。社会の片隅で燻っていた女たちは、俄然キラキラと輝きを放ち始める。
犯罪グループを率いるデビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)は、前シリーズの主人公だったダニー・オーシャンの妹という設定だが、前シリーズはさほど深くは関係していない。社会派コメディ『デーヴ』(93)の脚本などで知られるゲイリー・ロス監督が発案した新作は、むしろフランク・シナトラが主演したオリジナル作『オーシャンと十一人の仲間』(60)へと原点回帰させた感が強い。『オーシャンと十一人の仲間』は戦争から帰ってきたものの、平和な社会に居場所のない男たちがカウントダウンパーティー中のカジノ襲撃に情熱を燃やす物語だった。デビーをはじめとする新生オーシャンズも、自分たちの居場所を求めて大勝負に臨むことになる。
5年の刑期を終えて仮釈放されたデビーは、かつての仲間だったルー(ケイト・ブランシェット)と再会する。刑務所の中でずっと考え続けてきた犯罪計画を実行に移すためだった。酒場を経営していたルーだが、酒を水で薄めて売るセコい仕事に退屈しており、デビーの計画に乗ることに。今回の狙いは、カルティエの地下金庫に眠る世界最大のダイヤモンドだった。時価1億5000万ドル。美しいものを愛するデビーにしてみれば、人類の財産ともいえる世界最大の宝石を、警備のために人目に触れないようにしていることのほうが遥かに大きな罪だった。だが、厳重なセキュリティーが施されたお宝を、どうやって奪おうというのか? そこでデビーが目を付けたのが、ファッションの祭典「メットガラ」の今年のホスト役に選ばれている超人気女優のダフネ(アン・ハサウェイ)だった。
まずデビーたちは、有名ファッションデザイナーであるローズ(ヘレナ・ボナム=カーター)に近づく。かつて一時代を築いたローズだが、今は落ち目で借金に苦しんでいた。そこでデビーたちはSNS上で“一周回って、これからはローズが新しい”と煽りまくる。情報に敏感なダフネがさっそく喰い付き、今年のメットガラ用の新作ドレスのデザイナーにローズを指名。ローズはダフネのために最高のドレスを用意する。そして、そのドレスを完璧に着こなすためには、世界最大のダイヤが必要だった。ダフネからの強い要望で、カルティエはメットガラ限定で特別に世界最大のダイヤを貸し出すことをOKする。デビーたちが撒いたエサに、しっかりとカモが掛かってくれた。後は全世界に生中継されるメットガラのパーティー中に、どうやってダフネの首からダイヤのネックレスをいただくかである。
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