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日刊サイゾー トップ > 社会  > 全国で開発が進む「昆虫を使ったメニュー」
【虫写真注意!】

広がるブームと共に……全国で開発が進む「昆虫を使ったメニュー」の数々

 近年、新たな食としてブームになっているのが昆虫食である。公園や野原どころか、時には家の中でも、当たり前に見かける昆虫は、実は栄養素が豊富な上に美味いのである。

 昨年12月から今年5月までのロングランとなり、本サイトでも報じた長野県伊那市にある伊那市創造館で開催された「大昆蟲食博」(https://www.cyzo.com/2017/12/post_146071_entry.html)。ここには、伊那市では現在も食べられている、ざざ虫や蜂の子などの昆虫食が数多く集められ、全国各地から人が集まる盛況ぶりを見せた。

 もともとは、全国各地で食べられていたとされる昆虫だが、それが今でも日常である伊那市の食習慣は知らない人が見たら驚くかもしれない。

 この街の交通の要衝であるバスターミナルに併設された、みやげ物店兼カフェである「ここい~な」では、シーズンになると店内の一番よいところに、ざざ虫やいなごの佃煮などが販売されている。

 そして、秋になると、いなごを収穫して自宅で調理するという家もまだ多い。

 事と次第によっては「奇食」になりそうな昆虫食。それが「食わず嫌いはよくない」と、恐る恐るではあるけれども、試される程度にはなりつつある。海外ではコオロギの粉末を使った食材などが既に流通しているが、それらを輸入して愛食している人もいる。

 さらに、新たな昆虫食の開発に余念のない人も。

「昨年の大昆蟲食博は、後半になって口コミが広がったのか、来場者が増えました。中には、静岡から日帰りで駆けつけた人も。今でも、マスコミが昆虫食の記事を書くときに問い合わせが絶えません」

 そう話すのは、伊那市創造館の捧剛太館長。その捧さんも、新たな昆虫食の開発に余念がない。

 この取材の時に用意していたのは、自転車をこぐことで発電した電力を使った電気釜と、それで炊いた、蜂の子の炊き込み御飯という実験作。一種究極のエコな食材である。

 実際に味はというと、炊き込み御飯の味が強くて蜂の子の味はいまいち。ただ、食感が食欲をそそる。

 全国のあちこちで独自に開発が進む昆虫食。やがて「これは、本当に美味い」と、舌を巻く食材と調理法に出会うことがあるといいな。
(文=昼間たかし)

最終更新:2018/07/30 22:30
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