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NEWSの小山慶一郎のスキャンダルにテレビはダンマリ…ワイドショーから芸能ニュースが消える日

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 昨年来、ワイドショーは「バブル到来」と言われている。貴乃花親方と相撲協会を巡るバトルを皮切りに政界では「森友」「加計」問題。今年も日大アメフト部の悪質タックル事件。紀州のドンファン怪死事件に北朝鮮問題。そして今は豪雨に猛暑と、続々ニュースが舞い込んできている。

 現在、ワイドショーは朝、日中とも日テレ、テレ朝、TBS、フジの4局がしのぎを削っている。番組関係者が話す。

「視聴者が関心を持つネタの基本は昔も今も不幸ネタ。そこに対立軸がはっきりしていることが加われば最強のネタになる。貴乃花と相撲協会や日大の事件がその典型です。異色だったのが紀州のドンファン。若い妻と家政婦を巡り、茶の間で“誰が犯人か”と論争になるようなネタを提供することで盛り上げていた」

 政治、国際問題から社会ネタ、さらにスポーツネタまで関心度の高い話題が出てきたことで異常な盛り上がりを見せる最近のワイドショーだが、本来ワイドショーの目玉だった芸能ネタがほとんどない。唯一、連日、大きく騒がれたのが元“TOKIO”の山口達也の未成年女子高生に対するわいせつ事件。

「ジャニーズのスキャンダルは事務所の許可なくできませんが、山口の場合、社会的な事件。芸能記者だけでなく社会部記者も動く。止めるわけにはいかなかった。実際、山口の記者会見には、ジャニーズと犬猿の仲の文春記者も入っています」

 かなり特殊なケースだったことで、山口の事件はワイドショーでも大きく扱われた。

 その後、“NEWS”の小山慶一郎が未成年女性を含んだ飲み会で、お酒を飲むように煽る騒ぎがあったことを「文春」が報じても、ワイドショーはスルー。それだけではない。小室哲哉の介護拒否や不倫疑惑が報じられても、同様にスルーだった。

 宮崎謙介や山尾志桜里議員の不倫など政治家の不倫は鬼の首を取ったように連日報道したのに、いったいこの差は――。

 かつてのワイドショーには故・梨元勝氏を筆頭に各局にはエース級のレポーターが専属で在籍。スクープ合戦をしていた。

「昔はレポーターが一番情報を持っていて、彼らが先頭に立って独自のスクープを取って芸能人に直撃取材をしていた。芸能ニュースがワイドショーの華でした。今は芸能レポーターも減り、スクープなんてないというより、できない仕組みが出来上がっている」(芸能デスク)

 その背景にあるのが政界でおなじみになった「忖度」。芸能界に対してワイドショーやスポーツ紙の忖度が指摘されているという。スポーツ紙デスクの話。

「独自にスクープをしようとすれば、昔は取材対象の芸能人が所属する事務所一社でしたが、今は他の事務所も含めた団体で圧力をかけてくる。一社との喧嘩のはずが、百社との喧嘩になる。勝ち目はない。それなら、喧嘩せずに仲良くしているほうがいい。独自のスクープなんて考えなくなった。それはそれでラクです」

 著者はワイドショーデスクらに「Y連協」の結成を提案したことがある。要はメディアも連合を組もうということだ。目には目を! メディアも全社で力を合わせて戦う。

 芸能界から一社だけを追い出す案件が理不尽と判断した場合、メディア全社が一体となる。芸能界の発表物などに一社も行かない。行かなければ報道されることはない。相手側も逆に困るはず。しかし、それも空しく挫折した。話し合いすることもなくY連協の設立は幻と消えた。気のせいか、その後ますます勢力を増した感のある芸能界。メディアに対する圧力は強くなった。結果、ワイドショーはスキャンダルとして扱えるネタとできないネタがはっきりした。かつてベッキーとの不倫で騒がれた“ゲスの極み乙女”の川谷絵音は必要以上にワイドショーに追い回されていた。当時は小さな事務所。圧力もないことから、ワイドショーはまるで正義の味方のように追う。見ているほうからすれば「弱い者イジメ」。ニュースはニュートラルが基本的な姿勢であり、川谷を追いかけたように小室哲哉も追うのが普通だが、それはしない。最近はそんな構図を一般人も感じ取っている。ワイドショーから芸能ニュースが減った背景がここにある。

「スキャンダルはやらないのに、発表ものなど都合のいい話だけやるというのは矛盾している。ならば芸能ニュースは基本、やらないほうがバランスをとれる。自社のドラマや映画の発表だけしかやらないのが現状。後は西城秀樹さんの死去など訃報だけ。芸能レポーターの出番は激減です」(芸能デスク)

 かろうじて、名古屋、大阪、福岡の地方ローカル番組では「芸能界からの規制も緩い」ことからまだ芸能ニュースはやっているが、それも時間の問題。徐々に規制が敷かれていくという。こうしてワイドショーから芸能ニュースは消えていった。

(敬称略)

二田一比古
1949年生まれ。女性誌・写真誌・男性誌など専属記者を歴任。芸能を中心に40年に渡る記者生活。現在もフリーの芸能ジャーナリストとしてテレビ、週刊誌、新聞で「現場主義」を貫き日々のニュースを追う。

最終更新:2018/07/28 20:00
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