『この世界の片隅に』で主役に抜擢の松本穂香、カメレオン女優ぶりに期待
7月15日より放送開始する連続ドラマ『この世界の片隅に』(TBS系)。原作の同名漫画および2016年公開のアニメーション映画はいずれも高く評価されており、連続ドラマでの実写化も大きな期待を寄せられている。主人公のすずを演じるのは、『有村架純の妹分』としてデビューした松本穂香(21)だ。松坂桃李(29)演じる北條周作の妻となるすずだが、松本の知名度は松坂と比べれば低く、大抜擢のように感じる人は多いかもしれない。しかも21歳と、かなり若くもある。松本穂香とは、どのような経歴を歩んできた女優なのか?
地元・大阪の高校で演劇部に所属していた松本穂香は、高校2年生の頃に放送された連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK、2013年)にハマり、本格的に女優を目指したいと芸能事務所に応募。当初はオーディションを受けにひとりで新幹線で上京しては、オーディションが終わったらすぐに帰る日々を繰り返していたといい、帰りの新幹線で涙することもあったそうだ。しかし『あまちゃん』から4年後の2017年、早くも彼女は同じ朝ドラ枠の『ひよっこ』(NHK、2017年)に主人公の同期・青天目澄子役で出演しているのだから恐れ入る。
現在出演中のauのCMで、“意識高すぎ高杉くん(神木隆之介)”“細かすぎる細杉くん(中川大志)”から「松本さん」と呼ばれている彼女だが、実生活でも同級生からはずっと「松本さん」と呼ばれていたという。演劇部に入ったのは芝居への興味というより、演劇部は変わった人ばかりでオタクっぽい人も多く<そういう中にいたら自分も何をしていたって自由だし、楽><自分が好きなものに対して、恥ずかしいと思わずに好きといえる環境>に惹かれたからであると、「文春オンライン」のインタビューで明かしていた。舞台に立つと振り切って自分を出せるのが楽しかったという。
松本穂香は自分自身を根暗でネガティブな性格だと言うが、しかしだからこそ出来る演技があり、共感する人もいるのではないかと見据えている。実際、そんな松本が発信するInstagram「週刊松本穂香」は、なかなか個性的な活動だ。毎週「○○と松本」と題して、さまざまなテーマに沿った写真が投稿されるのだが、鉄道関連、波止場、脚立、団地などマニアック女子にウケるものを選んでいる。彼女自身の興味の方向性なのだろうか。
さて最近ではDV夫からゆるふわ男子まで幅広く演じる中村倫也(31)が“カメレオン俳優”と呼ばれているが、さしずめ松本穂香は“カメレオン女優”かもしれない。前述したauのCMではごく普通の(成績優秀で運動神経抜群だが)女子高校生「松本さん」を違和感なく演じているが、今年5月に公開された映画『恋は雨上がりのように』では、主人公のバイト仲間で“ネアカ”な茶髪の女子高生・西田ユイ役を好演。映画公開前には、葉山奨之(22)と松本が主演するスピンオフドラマ『恋は雨上がりのように〜ポケットの中の願いごと〜』(GAYO)も配信されたが、茶髪のファミレス店員・ユイは、ぱっと見、誰が演じているのかよくわからなかった。髪型やファッションによるイメージも大きいとは思うが、それにしても『恋は雨上がりのように』のユイと、『ひよっこ』の澄子を演じているのが同一人物であると知り、驚かされた人は少なくないのではないか。
17歳で「女優になりたい」と志し、現在まだ21歳と若いが、すでに順調なキャリアを重ねている松本穂香。TBS日曜劇場という同局でもっとも注目度の高いドラマ枠の主演に抜擢されたことは大きく、『この世界の片隅に』は彼女の今後を占う重要な作品となるだろう。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事