自殺を躊躇する女性に「早く飛び降りろ!」とヤジ……実況中継、拍手して喜ぶ者も
#中国
7月1日、奈良県大和郡山市の近鉄橿原線近鉄郡山駅で、16歳の女子高生がホームから線路に飛び込み自殺する様子をネット配信し世間に衝撃を与えたが、中国では自殺をあおる見物人の罵声が引き金となり、若い女性が命を絶った。
6月20日、中国甘粛省慶陽市のビルの8階から、19歳の女性が飛び降り、死亡した。最期の瞬間まで自殺をためらっていた彼女の背中を押したのは、野次馬の罵声だった。
「新華網」(6月27日付)によると、当時、商業ビルの8階の窓枠に腰かけていた女性を思いとどまらせようと、警察官が4時間にわたって説得を試みていた。現場には騒ぎを聞きつけた見物人が多数集まり、中には地上から女性の様子をスマホで撮影してSNSで拡散したり、ライブストリーミングする者までいた。さらに、女性に対し「なぜまだ生きてる?」「早く飛び降りろ」「暑いから早くして」などと自殺を促す言葉を浴びせるなどしていたという。こうした見物人の心ない暴言が引き金となり、女性はビルから飛び降り、死亡してしまった。女性が飛び降りた瞬間、拍手をして喜ぶ者もいたという。
地元公安局は後日、公務執行妨害の容疑で事件現場にいた見物人6名を逮捕した。
6名は取り調べに対し、「酒を飲んでいて、よく覚えていない」「あの女性は、彼氏にフラれて自殺をしようとしているとウワサで聞いた。バカらしい理由だと思って、ののしってしまった」などと身勝手な供述をしているという。
一方、死亡した女性は、高校時代に担任の教師から受けていた性的暴行が原因でうつ病を患っており、これまでに何度か自殺未遂をしていたことが明らかになった。そこで警察は、この教師も強制わいせつの容疑で逮捕した。
性犯罪の被害に一人思い悩み、見ず知らずの群衆から「死ね」と言われ、それに従って命を絶った彼女にとって、この世の中とは一体なんだったのだろうか……。
(文=青山大樹)
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