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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 本・マンガ  > 海賊版サイト、内閣府の検討会が開始

「漫画村」本当の問題はこれから……ブロッキングをめぐり、内閣府の検討会がついに始まった!

※イメージ画像

「漫画村」はなくなったのに、まだ続けていたの? 大騒動を巻き起こした上に4月に消滅した海賊版サイト「漫画村」が巻き起こしたブロッキング騒動は、まだ続いていた。

 ブロッキングとは、特定のウェブサイトへのユーザーのアクセスを遮断すること。海賊版サイト「漫画村」をめぐっては、これを行うべきとの意見が、権利を侵害されている出版社側からも出されて、議論の的となった。

 一見すれば、悪質なサイトを遮断するのだから正当な行為に見える。ただ、ブロッキングというのは、実はとんでもない行為だ。要は、ブロッキングの対象となっているサイトにアクセスしようとして、初めてインターネット・プロバイダが遮断を行う。どういうことかといえば、ユーザーがインターネットを用いて行っている通信を覗き見られているのだ。

「通信の秘密」というのは、日本国憲法というより近代以降、守られることが前提となっている権利の一つ。ゆえにブロッキングしたほうが効率がよいから、やってしまおう!! というワケには本来いかないのだ。

 ところが、海賊版サイト「漫画村」の問題をめぐっては、ブロッキングがもっとも有効な手段であるとして、これを容認する声が浮上。ついに、法整備が議論されるまでになったのである。しかし、問題の発端である海賊版サイト「漫画村」は4月に消滅。その後、議論は沈静化しているように見えた。

 ところが、法整備の準備はまだ続いていた。6月22日、内閣府では海賊版サイト遮断をテーマに初めての検討会を開いたのである。

 この会合では、慶応大の村井純教授と中村伊知哉教授が共同座長として、出版社や通信事業者が出席。憲法への抵触などの懸念を検討して結論を出すとしている。

「あくまで、検討会ではありますが、全体的な雰囲気としては法制化への問題を払底するのが目的のように感じます。要は、結論ありきの議論のようにも思えました」

 そう話すのは、会議に出席した関係者の一人だ。

 海賊版サイト「漫画村」をめぐっては、4月に政府の知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議が、児童ポルノを扱っているサイトではブロッキングが実施されている現状を挙げて、同様の措置が適当だとされた。しかし、法的根拠を明確にする措置が必要とされ、この検討会が新設された経緯がある。

「悪質なサイトだからといって、ブロッキングを是認しては、際限なく対象が広がっていく懸念があります。でも、このまま法整備は進んでいくのではないか」(傍聴者)

 やがては、あらゆるエロサイトや「有害情報」も対象にされてしまうという可能性もあるというのに。意外にこの問題は注目されていない。
(文=特別取材班)

最終更新:2018/06/30 21:00
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