完成は2040年頃って……? 再開発の進む日本橋周辺で、首都高の地下化は10年遅かった
「第一歩とはいえ、遅すぎないか……」
日本橋周辺の商店からは、そんな声も聞かれている。東京・日本橋の真上にかかる首都高速都心環状線の地下化のプロジェクトが、ようやくスタートしたのだ。
東京の日本橋といえば、江戸時代から続く東京のシンボル。それが覆い隠されるように高速道路が建設されたのは、前回の東京オリンピック直前の1963年のことだ。
そんなところに高速道路が建設されたのは、オリンピックに間に合わせるのが目的。そのため、用地買収の不要な川の上に高速道路がクネクネと走ることになった。
結果オリンピックには間に合ったが、景観を損ねたことは長らく批判されてきた。
それを改善する案が具体化したのは、すでに10年以上前。2006年に小泉純一郎首相の私的諮問機関「日本橋川に空を取り戻す会」が、首都高の地下化を具体化する報告書を発表。その後も、国土交通省が地下化に言及したり、民間からも幾度か要望が寄せられてはいた。
「首都高の地下化の予算は5,000億円規模とされています。これは、企業にとっても大きなビジネスチャンスですし、地下化後には多くの観光資源も生まれるでしょう」(ゼネコン関係者)
そんな東京改造の巨大プロジェクトだが、ここで大きな問題点も指摘されている。日本橋周辺の地下化工事の着工は2020年のオリンピック終了後。しかも、工期は20年前後だというのだ。
工期が長すぎるのには理由がある。周辺の地下は上下水道から電気・ガスに電話線などインフラが張り巡らされ、地下鉄も複数走る場所。それを避けつつ、さらに川沿いを掘り進めるのだから、難工事になるのは避けられない。
「日本橋周辺は再開発も進み、国内外から人が集まるスポットになっています。国土交通省は、それらの再開発と地下化が相乗効果をもたらすとしていますが、20年後の東京で、その効果があるのかといわれると疑問です」(同)
一部では「せめて10年前に、着工していてくれたら」という声もあるというが……。
(文=特別取材班)
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