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【wezzy】

『コンフィデンスマンJP』最大の魅力=長澤まさみが楽しそうなところ!

 5月も下旬、春クールの連ドラも折り返し地点にさしかかっている。近年視聴率が振るわない傾向にあるフジテレビ系の“月9”『コンフィデンスマンJP』が、奮闘中だ。リアリティの薄い世界観なのをいいことに、“コンフィデンスマン=信用詐欺師”こと、ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)の3人組は、やりたい放題。そのハチャメチャぶりが爽快な視聴感を生んでいる。

 特に長澤まさみの楽しそうな演技が印象に残る。彼女が演じるダー子は、あらゆる職業の専門知識を驚異的なスピードで習得して、その職業の女性になりすましてターゲットに接近する。1話完結作品なので、視聴者は週替わりで様々な職業の長澤まさみに出会う。10~20代前半の頃の長澤まさみは清純女子を演じるイメージが強かったが、まもなく31歳の誕生日を迎える彼女は今作で自由に活き活き動き回っている。グラマラスなのにハニートラップは下手という設定も遊びがあるし、「華」と「愚」のバランスが取れていい。

 5月14日放送の第6話での長澤まさみは、考古学マニアに扮してターゲット・斑井(まだらい/内村光良)に接近していたのだが、リアクションといいビジュアルといい、もはやコントぎりぎり。しかし長澤まさみが煌びやかな装いで華やかな笑顔を振りまいていればそのほうが魅力的なのかというと、女優ってそういうものでもない。ターゲットを騙す作戦会議の途中、テンションの上がったダー子の「くうぅぅ~おもしろいぃぃ~」、お尻をアップダウンさせながらの「発掘、発掘!!」など、台詞や動きもコミカルでキュートだ。

 また、『コンフィデンスマンJP』自体、スカット系一話完結ミステリーを期待すると肩透かしをくらう、トボけた味わいのドラマでもある。たとえば第6話は、ボクちゃんが思い入れを持つ山奥の山村で進む産業廃棄物処理場の建設工事を中止させるべく、ダー子とリチャードに協力を求める。遺跡を発掘されれば中止になるというダー子の助言で、ボクちゃんは工事現場にアルバイトとして潜入し、リチャードに借りた縄文土器を「見つけた」とねつ造報告。当然即バレる。

 その後もあれこれ策を弄するが、結局すべて偽の遺跡であることがバレ、産業廃棄物処理場建設工事は続行するものの、なんだかんだでハッピーなエンドを迎える……。これまでの話同様、相変わらず騙し方がゆるゆるで、ツッコミどころは少なくない。しかし大がかりなのに雑な信用詐欺と、簡単に騙される切れ者なはずのターゲット、二転三転するけどあっさりした展開、バカバカしいやり取りなどは、軽快で奔放。重厚な人間ドラマや、切ない後味を好む視聴者もいるだろうが、それは『コンフィデンスマンJP』ではない作品に求めてほしいところ。『コンフィデンスマンJP』は軽くて面白い、それで十分ではないだろうか。

最終更新:2018/05/22 07:15
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