運営会社の自転車操業の破綻で地獄に……シェアハウス入居者が遭遇する“兵糧攻め”って!?
大手新聞などでも話題の女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」などを運営する不動産会社・スマートデイズをめぐる問題。先日からシェアハウス用物件の購入者(オーナー)らが提訴の構えを見せている中、入居者はもっと悲惨な目に遭っていた……。
もともと、スマートデイズのビジネスモデルは、以下のようなものだ。同社が販売するのは、シェアハウス用の物件。その上で、同社は購入者に代わって入居者から家賃を集め、購入者に支払うというシステム。ここで同社は購入者に長期の借り上げ保証があると説明。つまり、入居者がいなくても毎月固定額を支払うとしていた。
これを信じ、多くの人がローンを組んで物件を購入していたのだが、今年1月から支払いがストップしてしまったのだという。実際には、入居者から得られる賃料は微々たるもので、その不足分を新規の物件販売で穴埋めする自転車操業状態が続いていたという。
こうした状況の中で、投資目的で物件を所有していた人々は、少しでも損害を減らそうと、所有する物件の売却を始めているのである。
「3月末に、これまで行っていたWi-Fi無料も止めると言ってきたんです」
そう話すのは、スマートデイズが運営していた男性向けシェアハウス「ステップクラウド」の入居者。「かぼちゃの馬車」が女性向けに制限されているのとは別に、こちらは主に男性や外国人をターゲットにするなど、多様な入居者を募っていた。
東北地方から上京してきたというこの入居者の男性も、家賃は格安で家具付き、さらに、ネットもあるし、一週間に一度は共有スペースを掃除してもらえるという点に魅力を感じたという。
「安いから壁はめちゃくちゃ薄いんです。外国人の人は、Wi-Fi無料なので母国とSkypeで電話をしまくってましたが、その声が夜中でもずっと聞こえてます。それでも、なにかと便利なので満足していたんですが……」
ところが、早々と所有者が物件を売却したことで、2月頃から事情は一変してしまった。
「掃除は来なくなり、台所は汚れ放題です。どうも、一度入居者を一掃してしまいたいみたいですね」
この男性の住むシェアハウスは、西武新宿線で、新宿まで10分あまりの好立地。激安のシェアハウスよりも別の使い道を、新たな所有者は考えているようだ。
Wi-Fiの停止が通告されたことで、この男性も退去を決めたが、そのことを管理会社に告げると、満面の笑みで「あ~そうですか」と言われたという……。
恐るべき現代版兵糧攻めは、あちこちで始まっているようだ。
(文=昼間たかし)
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