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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 本・マンガ  > 「漫画村プロ」は“断末魔のひと稼ぎ”

「ネトラン」の頃とは時代が違うんだよ! 「漫画村プロ」は“断末魔のひと稼ぎ”なのか

※イメージ画像

 こんなドロボー、見たことない。海賊版サイト「漫画村」が、新たな「サービス」という名の万引き商売を計画し、マンガ家たちの怒りの炎に油を注いでいる。

 新たに告知された「漫画村プロ」だ。4月から5月にかけてリリースすると告知しているそれは、月額500円の有料版。

 すべての広告を除去し、アダルト作品の非表示選択、ZIP形式での画像ダウンロードなどの機能を提供するとしている。

 この告知の中で「漫画村」は、「漫画家さんが無料で広告してくれた」として、この2カ月間に利用者は1.8倍に増加。「ユーザーが増えて維持費がアップした」としている。この新たな万引き商売の告知は、極めて挑発的な文章で、煽りに煽りを重ねている状況だ。

 だが「漫画村プロ」のリリース告知は、いよいよ「漫画村」が追い詰められている状況を示すものとの見方が強い。おそらくは、摘発の可能性も高まった中で「漫画村プロ」を通じて、クレジットカード情報やメールアドレスなどを収集。それを転売することで、最後のひと稼ぎを目指しているのではないかとみられている。

 まさに「盗っ人猛々しい」の言葉そのままのような所業。でも、この間、典型的な海賊版サイトとして「漫画村」の名前が幾度も取り上げられたことが広告となってしまったのも事実である。

 現に、Googleなどで「漫画村」を検索すればトップに表示される。対して、それがいかに問題なのかを解説するサイトなどは、もっと後のほうにしか表示されない。

 プロバイダなどを通じて、特定のサイトへのアクセスを遮断すること。あるいは、違法にアップロードされたデータをダウンロードそのものに処罰を加えることは、言論/表現の自由の視点からは、避けたいものだ。

 ゆえに、有効な手段は「漫画村」の利用が商店からモノを盗むのと同等の行為であるということを、より多くの人に理解させることだろう。

 どうしても、デジタルデータというものの価値は低く見られ、容易に海賊版サイトは利用されてしまいがちだ。かつて、インターネットでは、そうした行為が「ハッカーかなんかみたいでカッコイイ」という風潮もあった。でも、もうそんな時代ではないことが、わからぬ人はいないだろう。「ネトラン」の頃とは時代が違うんだよ。
(文=昼間 たかし)

最終更新:2018/03/18 18:00
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