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日刊サイゾー トップ > 社会  > 韓国芸能界“#MeToo”運動の裏側

ついに自殺者も……韓国芸能界“#MeToo”運動、盛り上がりの裏にある「性上納」「セクハラ」の横行

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 セクハラや性的暴行被害を告発する「#MeToo」運動が激化している韓国で、ついに自殺者まで出た。

 3月9日、俳優チョ・ミンギ(52)がソウル市内で首を吊った遺体で見つかったのだ。彼は生前、俳優業に加えて清州大学演劇学科の教授を務めていたが、学生らにセクハラ行為をしていたとの暴露が相次ぎ、被疑者として警察の取り調べを受ける予定だった。

 初めてセクハラ疑惑が持ち上がった2月20日頃、チョ氏は疑惑をかたくなに否定していた。

 しかし、大学の卒業生と名乗る男性による「女子はもちろん、男子にもセクハラや暴力行為をして、それが原因で休学した学生もいる。学校内の絶対権力者だった彼に目をつけられると、将来が見通せない状況に追い込まれると言われたほどだ」との追加暴露に加え、すでに学生らの通報によって大学側から停職処分を受けていたことが明らかに。

 さらには、チョ氏からわいせつな言葉や身体部位の写真をメールで送られた被害者が、そのやり取りを公開。所属事務所も「スムーズなコミュニケーションが取れないため」チョ氏との契約を解除すると公表した。

 彼は結局、謝罪文を発表して一連の疑惑を認めたのだが、最初に疑惑を否定していたことや、わいせつな言動が度を越していたことなどで、世間の怒りを買ってしまった。

 チョ氏に対する厳しい反応は、自殺が報道されてからも続いている。

 ネット民からは「#MeTooが人を殺したのではない。明かされたら死ぬほど恥ずかしいのが性的暴行だと気づけよ」「被害者に謝罪もせず死ぬなんて、あまりにも無責任ではないか」「それでも#MeTooは続けなければならない。この世には死にたいほどつらい思いをしている女性のほうが多いことをお忘れなく」という意見が多く寄せられている状況だ。

 そういった世間の反応を意識したのか、葬儀場には弔問客もほとんど訪れていなかったという。そんな中、葬儀に出席した俳優チョ・ソンギュは、こうコメントしていた。

「1日目には3人、2日目は5人ほどの芸能人を見かけた。28年目のベテラン俳優の葬儀に同僚芸能人が5人しか弔問に来なかったことは切ない」

 それにしても現在、韓国の#MeToo運動の盛り上がりはすさまじい。1月29日に現職女性検事だったソ・ジヒョンがニュース番組でセクハラ被害の経験を暴露したことを皮切りに、政治家の安熙正(アン・ヒジョン)や“韓国映画界の鬼才”キム・ギドク監督、ノーベル文学賞候補といわれていた詩人コ・ウン、同国を代表する舞台演出家のイ・ユンテクなど、各界の有名人らにセクハラや性的暴行の疑惑が浮上した。

 特に芸能界における#MeToo運動の波風は荒く、疑惑が持ち上がったタレントだけでも15人以上。昔、女優の故チャン・ジャヨンが20人以上に“性上納”と呼ばれる性接待を強要され、自ら命を絶った事件があったが、セクハラや性的暴行が相変わらず芸能界に蔓延していることは確かなようだ。

 英国のメディア「デイリー・テレグラフ」は、チョ・ミンギの自殺によって、韓国内で#MeToo運動に対する反発も出てきたと報じているが、はたしてそれはどうか。もう少し動向を見守る必要がありそうだ。
(文=S-KOREA)

●参考記事
・「もう演技力は問わない」MeToo運動がもたらす韓国芸能界の変化とは?
http://s-korea.jp/archives/30725?zo=1
・「事務所トラブル」から“性上納”まで…なぜ韓国芸能界にはこんなにも自殺が多いのか
http://s-korea.jp/archives/30849?zo=1

最終更新:2018/03/14 18:00
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