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日刊サイゾー トップ > 社会  > アキバの老舗食堂が閉店の悲劇

アキバの老舗・かんだ食堂が閉店という悲劇……登記簿から見える閉店理由と今後のこと

イメージ画像(Photo By y kawahara from Flickr)

 秋葉原……今はオタク文化の中心地となった街で、やっちゃ場(神田青果市場)のあった時代から、漢たちの腹を満たしてきたのが、かんだ食堂。

 そこは、メシの激戦区。サッシの扉を開ければ「いらっしゃいませ」の声。おばちゃんに指示されて席につけば、注文に迷うことはない。豊富なメニューの数々……でも、変わらないのは、ごはん大盛り。刹那に運ばれてくる、どんぶり飯を濃いめの味付けのおかずと共に流し込む。

 隣に座る見知らぬ客は、いわばライバル。競うようにかき込む米、米、米。その先に見えるのは、果てしなき米の宇宙……。

 そんな店の風景は、永遠に続くと思っていたのに!!

 1958年の創業以来続いてきた風景が、3月24日をもって終わることが店頭に告知され、多くの人々を悲しませている。

 いったい、なぜ、かんだ食堂が閉店しなくてはならないのか。これまでにウワサされている閉店の理由は、ビルのオーナーが変わったというもの。

 それは、本当なのだろうか。とすると、開発が予定されているのか? ならば隣の老舗喫茶店・タニマも、ヤバイのではなかろうか。

 そこで登記簿を見てみると、さまざまな事情が見えてきた。

 まず、かんだ食堂の入るビルのオーナー変更は事実である。登記簿によれば、この土地は、昨年11月に中央区にある不動産会社A社から、千代田区にある別の不動産会社P社へと所有権が移転している。

 このP社のサイトを見てみると、主に扱っているのは自社物件のマンションの販売。となると、一帯をマンションとして開発することを目指しているのか。

 ところが、その老舗喫茶店・タニマのほうの登記簿を見ると、所有者は前出のA社のまま。また、かんだ食堂からは裏にあたる、じゃんぱらのある部分の登記簿は、別の個人が所有していることがわかる。

 ここからは、すぐに再開発が行われるわけではなさそうな雰囲気を感じる。ならば、なぜ、かんだ食堂は閉店を余儀なくされたのか。

「いま、都心では不動産会社による『地上げ』が盛んに行われています。新オーナーが家賃の大幅値上げを要求したために、閉店する店も多いんです」(不動産業者)

 先日も、神保町の老舗・キッチン南海が閉店するのではないかという根も葉もないウワサが流れたが、その原因は隣のおにぎり屋が、新オーナーに家賃を大幅値上げされたために、閉店というものだった。

 不動産会社が利潤を追求する姿勢は、決して否定することはできない。でも、チェーン店ばかりの、つまらん街のどこに魅力があるのか。
(文=昼間たかし)

最終更新:2018/03/08 16:43
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