ライブ業界が直面する“3つの問題”とは――? 『ライブ・エンターテイメントEXPO』 特別セミナー受講レポート
最近、ライブによく人たちであれば、いくつかの変化を感じているかもしれない。
「あれ? 渋谷公会堂ってなくなったんだっけ?」
「大手のチケット売買サイト閉鎖しちゃったの?」
実はそれらの背景には、大きな問題があり、それは運営側だけでなく、我々ライブを楽しむ側にも関わってくることなのである。
2月21~23日、幕張メッセで開催された展示会『ライブ・エンターテイメントEXPO』。その中で『ライブ・エンタテインメントビジネスにおける実情と課題~チケット高額転売問題、会場不足、人材育成~』というセミナーが開かれた。
登壇したのは、「日本音楽事業者協会」専務理事・中井秀範氏、「日本音楽制作者連盟」常務理事・野村達矢氏、「コンサートプロモーターズ協会」転売対策担当・石川篤氏の3名。石川氏の進行、中井氏と野村氏が中央に座りコメントをするというスタイルで、セミナーが始まった。
■高額転売問題
まず最初に取り上げたのは、チケットの高額転売問題。
もともと、日本では「ダフ屋」と呼ばれる、転売目的でチケットを入手し、高額で売りさばく人たちがいた。それが、ネット社会が進むにつれ、売る側と買う側、双方の利害を一致させ、取引を成立させることが容易となっていったのである。
もちろん、それが個人間、かつ適正な値段で売買される分にはそれほど大きな問題にはならなかった。「行こうと思ってチケットを取ったが、行けなくなった」場合や「行きたいライブのチケットが取れずに、何とかして手に入れたい」と思うことは、よくある話である。
しかし、それを大規模、かつ高額でやりとりするとなると、話は別だ。転売目的でたくさんのチケットが押さえられ、不当な価格でチケットが売買されてしまう。これにより、本来ライブに行けるはずの人が行けなくなるという事象が起きてくるのだ。
3名の話では、もともと運営側には「ライブには若い人にも来やすいようにしたい」との意識があるという。それが不当な価格で販売されるようになれば、ある程度お金に余裕がある人以外行けなくなるということはあるだろう。
セミナーでは、株式会社フンザが運営するチケット売買サービス『チケットキャンプ』の事例を取り上げ、経緯が説明された。
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