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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > オタクはなぜ上ずった早口で喋る?
「声」にコンプレックスがある人へ――[4]

オタクはなぜ上ずった早口で喋る? ボイストレーナーに聴いた結果、その秘密は「体内」にあった!

■オタクの声が上ずるのは、オタトークができる喜びからだった

 

――速度や文の長さについて伺ってきましたが、声が上ずってしまうのはなぜなのでしょうか?

堀澤麻衣子氏(以下、堀澤) 気持ちの問題ですね。感情が普段の平常心の状態から上がる、例えば「調子に乗っているとき」や「緊張しているとき」などもそうですが、体の中心である「丹田」の位置が上がってしまうんです。

 人が緊張したときに、よく、「あがった」といいますが、あれは「丹田」が上がるということなんです。丹田が上がると、肺が圧迫されて息が吸いづらくなります。なおかつ、心も落ち着かないから、どうしても声はふわふわと、上ずった感じになってしまうんです。

――オタクの声が上ずりがちなのは「オタトークができて超うれしい」という感情が根底にあるのですね。

堀澤 はい。ですので、「嬉しさのあまり思わず声が上ずってしまうような状況でも、落ち着いて話したいかどうか」というご本人の気持ちもまずありますよね。嬉しい感情を無理して止める必要はないと思います。

 なお、嬉しさや緊張で丹田が上がると喉が締まります。そうなると、空気がうまく吸えず酸欠状態になります。自分の首を絞めたまましゃべるようなものです。少ない空気でなんとか情報量を伝えようとすると、早口になってしまうんですね。

――嬉しい→丹田上がる→上ずる&早口と、オタクの喋り方が似るのは、体中に理由があったんですね。

堀澤 繰り返しになりますが、嬉しい感情を無理に止める必要はないと思います。ですが、自分がいくら好きな話題でも、相手の興味度数はどれくらいなのか、は意識してみるといいかもしれません。相手の興味度数は「3」くらいしかないのに、本人がひたすら「10」でしゃべっていて、相手がつまらなそうにしているのも感じない、となるとコミュニケーションは一方通行になりがちなので、それはお互いにとってよくないですよね。

 興味度数がずれているなと気づき、一旦冷静に自分を感じることは大切です。そうすれば適量な長さや声でしゃべれるようになります。

* * *

 ひたすらに推しへの想いや、地雷に対する悪口などを黒部ダムの放水のように語るときの得難い気持ちよさというのは、オタクとしてよくわかる。オタクのトークは激しいギターソロ(最後にギターを燃やしたり壊したりするタイプ)なのだ。

 しかし、これに「分かって欲しい」「これをきっかけに聞いている人ともっと親睦を深めたい」などの野望が加わった場合は、このギターソロを「弾き語り」くらいにする工夫があるといいのだろう。それにおいて、声や喋り方の工夫は、大きな助けになるはずだ。

(文/石徹白未亜[http://itoshiromia.com/])

 

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最終更新:2018/03/09 20:40
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