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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > カンパニー松尾がAVを語る【後編】
『劇場版アイドルキャノンボール2017』公開記念インタビュー

男たち女たちはなぜ競うのか? カンパニー松尾がキャノンボール、アイドル、テレクラ、AVを語る【後編】

「会議シーンがやたらと多いのが『キャノンボール』の特徴。男たちの意地の張り合いを楽しんでほしい」と語るカンパニー松尾。

(前編はこちらから)

──半ば監禁された状態の合宿生活の中で、アイドルたちもおかしくなっていったようですね。後半はガラリと雰囲気が変わり、「横浜ステージ」と称して本来の何でもありな『キャノンボール』スタイルになっていく。これは事前に予定していたもの?

松尾 そうです。これは事前のルール会議で、ビーバップみのるが「アイドルと6日間闘ったら疲弊するから、最後に自分たち本来の闘いを用意しましょう」と話したことから生まれたものです。最終ステージは従来の『テレクラキャノンボール』を踏襲したものを設定し、それを楽しみに僕らは合宿を乗り切ったんです(笑)。内容が内容だけに、渡辺淳之介さんにも高根プロデューサーにも事前に伝え、製作費もその部分に関しては「ハマジム」から持ち出しているんです。楽しみにしていたパートでしたが、まぁ予想を上回ることが次々と起こりました。

──予想外のハプニングが起きることが『キャノンボール』の醍醐味ですね。『BiSキャノンボール』でファーストサマーウイカが松尾さんに激怒するシーンがすごく印象に残っています。ウイカの怒った顔がとても美しかった!

松尾 僕はウイカを怒らせようと思って、撮っていたわけじゃないんです。「ウイカとハメ撮りしたいなぁ」と思っていたところ、ああいう予想外の展開になってしまった(笑)。ウイカは僕に怒っていたわけではなく、解散ライブ前夜にビーバップみのるがテンテンコに仕掛け、一睡もさせなかったことをライブ後に知って怒っていたんです。自分のことではなく、BiSのことを思って彼女は怒っていたんです。

──その結果、アイドルが本気になった表情、しかも美しい素顔をカメラに収めることに成功したわけですね。

松尾 先日、『BiSキャノンボール』のオーディオコメンタリー上映があって、僕もプー・ルイと一緒に参加したんですが、プー・ルイはあのシーンを観ながら爆笑していましたね。BiSってトラブルを乗り越えることで成長してきたアイドルグループだったから、プー・ルイにしてみれば「蚊に刺されたとも思っていない」程度のことだったそうです。

──BiSのリーダーであるプー・ルイとは『BiSキャノンボール』に始まり、新生BiSオーディションを追った『劇場版BiS誕生の詩』(17)、そして『アイドルキャノンボール』と一緒だったわけですが、プー・ルイはプー・ルイのまま変わらない?

松尾 やっぱり、BiSといえば、プー・ルイなんですよ。彼女が始めたアイドルユニットだし、他のメンバーはいろいろ変わっていく中、BiSの精神性はプー・ルイそのもの。BiSにカメラを向けていても、どうしてもプー・ルイのことを見てしまいますね。

アイドル候補生とカンパニー松尾が車内で2人っきりに。危険なものを予感させるが……!?

■テレクラはかつて大人の社交場だった

 

──『アイドルキャノンボール』の最終ステージの舞台は横浜へ。まだ、横浜にはテレクラがあるんですか?

松尾 あります。一軒だけですが。けっこー電話はつながって、5分で出会えました。結局、ツイッターで募集して、連絡してくれた女性を撮ったわけですが、テレクラ内でツイッターを使いました。意味はありませんが(笑)。

──テレクラで出会った女性たちとのハメ撮りAV『私を女優にしてください』などの人気シリーズを手掛けた松尾監督の、テレクラに対するこだわりが感じられます。

松尾 やっぱり、テレクラ愛はありますし、出逢いのツールとして、辛うじてまだ機能していますね。かつてはテレクラはひとつの文化、大人の社交場だったんです。地方のテレクラは本当に面白かった。お客さん同士が集まって、みんなで伝説自慢するんです。「あの女はやめたほうがいい」とか情報交換もしていました。今はお店だけが残って、テレクラ文化は消えてしまいましたね。テレクラの代わりに、みんなSNSを活用しています。テレクラ以上に出会い系は盛り上がっていますね。

──そして、いよいよ最終審査発表。大号泣する監督もいれば、「えっ、どうしてそこまでやるの?」と驚きの行動に出る監督もいる。映像監督としての“業”が一線を越えさせてしまうんでしょうか?

松尾 そういうことでしょうね。やっぱり『キャノンボール』って、男同士の意地の張り合いなんですよ。誰が優勝したかはここでは伏せますが、彼は審査員として参加していた渡辺淳之介さんも巻き込んでしまいますからね。自分の持っている映像監督としての資質をいかんなく発揮してみせた。ここまでやってしまったら、次回の『キャノンボール』はどうなってしまうんだという恐怖がありますね(笑)。

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