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『海月姫』、フジ月9史上ワースト2位発進も……主演・芳根京子は一皮むけるチャンス!?

フジテレビ系『海月姫』番組サイトより

 今夜、第2話が放送されるフジテレビの月9ドラマ『海月姫』。15日に15分拡大で放送された初回の視聴率は8.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、同枠の初回では、昨年1月期『突然ですが、明日結婚します』(西内まりや主演)の8.5%に次ぎ、ワースト2位の最悪スタートとなった。

『海月姫』の原作は、人気漫画家・東村アキコ氏の同名少女漫画(講談社)で、2010年にフジ系でテレビアニメ化されている。また14年12月には、能年玲奈(現・のん)主演で映画化され話題になったがたが、爆死している。それだけに、ドラマ版も前評判はすこぶる低く、初回8%台でも当然の結果といえそう。

 同ドラマは、クラゲをこよなく愛する“クラゲオタク”の倉下月海(芳根)がイラストレーターを目指して上京。“尼~ず”と称される、さまざまな分野のオタク女子たちと、アパート「天水館」で男子禁制の共同生活を送っていた。そんな折、ひょんなことから、月海が大物国会議員・鯉淵慶一郎(北大路欣也)が愛人に生ませた息子で、女装好きの蔵之介(瀬戸康史)と出会う。そして、蔵之介とは腹違いの弟で、父の秘書を務める童貞エリート・修(工藤阿須加)と、複雑な三角関係に陥る。自分には一生縁がないと思っていた恋を知った月海が、新しい自分、新しい生き方を見つけていく姿を描いた、新感覚のシンデレラコメディだ。

 ネット上では「ドタバタ感がすごい。何が何だかさっぱりわからないドラマだった。次回はもう見ない」といった辛らつな意見がある一方、「芳根を始め、尼~ずの面々がはじけてておもしろかった。意外に芳根は演技がうまい」「『べっぴんさん』は駄作だったけど、これは芳根の当たり役なのでは?」「期待してなかったけど、芳根がハマっていて楽しめた」といった声も多く、低視聴率の割に、視聴者にはおおむね好評のようだ。

「大物キャストは北大路のみで、後は若手中心。これなら、ギャラも安いですし、“若手育成ドラマ”と考えればいいのではないでしょうか。このキャストで、下馬評が低かったことを思えば、視聴率は度外視でいい。昨今の月9の凋落を見れば、この作品で2ケタを期待すること自体、虫がよすぎます。主演の芳根は、これまで清楚系、お嬢様の役柄が多くて、いまひとつパッとしませんでしたが、これだけ吹っ切って、オタクを演じているのには好感がもてました。これで女優として一皮むければ、幅が広がって、いろんな役が回ってくるのでは。その意味で、芳根にとってはいいチャンスになりそうです。少なくとも、月9ワースト視聴率の『突然ですが』より、ずっといいです」(テレビ誌関係者)

 芳根はNHK連続ドラマ小説『べっぴんさん』(16年後期)でヒロインに起用され、その後も、高視聴率ドラマ『小さな巨人』(TBS系/17年4月期)でヒロインを務めたりしたが、いまひとつインパクトを残せていなかった。『海月姫』はフジの看板枠だけに、視聴率が悪ければ、批判もあろうが、このドラマをきっかけに、飛躍を果たしてほしいものだ。
(文=田中七男)

最終更新:2018/01/22 14:00
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