愛人契約と結びつきやすいグラビア業界の構造が明らかに。売れても月給3万、5万、10万の給料設定
昨年8月に、週刊誌「フライデー」(講談社)誌上で、現役グラビアアイドルが青年実業家の男性に一晩30万円で売春し、その行為を盗撮した動画をネタに1000万円を脅し取る美人局をしたという記事が載った。グラドル女性は、所属事務所の社長の指示を受けていたということだった。このグラドルは当時、仕事の悩みなどを相談しているうちに事務所社長に強い信頼を置くようになり、指示に従っていたとされている。
その女性が「食うに困って」売春したわけではないにしろ、そもそも水着グラビア等の仕事をいくら所属タレントがこなしても、事務所が得られるギャラがさほど多いわけではないのは実状だろう。グラドルとしてイメージビデオのリリースやテレビバラエティ出演等そこそこの活躍をしていた高崎聖子は、枕営業の証拠がネット上に流出しAV業界に転身した後、グラドル時代の月収は14万円だったと明かしている。グラビアアイドルというのは、与えられる仕事をしていても、大金どころか会社員並みの給料を稼ぐことが難しい状況にあるのだろうか。
1月17日放送の『ナカイの窓 グラビアレジェンドSP』(日本テレビ系)に新旧グラビアアイドルが出演し、ギャラ事情などを明かしていた。現在よりも羽振りが良かったであろう時代に芸能界で活躍したグラドル女性たちも、所属事務所から支払われる賃金は想像よりずっと安かったと回顧している。
胸の大きい女性が多く所属することで有名だった芸能事務所・イエローキャブからデビューしたかとうれいこ(48)は、全盛期は年に4日しか休みがないほど忙しかったものの、ずっと月給10万円だったと告白。ただ、当時の事務所社長・野田義治氏が洋服を買ってくれたりしたほか、住まいの家賃は事務所負担だったそうだ。それでも月給が少ないことについて島田紳助やしきたかじんなど業界の大御所に相談したところ、彼らが野田氏に「もっと上げてあげなさい」と口利きし、少し上がったという。
同じくイエローキャブからデビューした細川ふみえ(46)も、多忙な時期は気づけば年に4日しか休みがなかったそうだ。かとうれいこ同様に給料制だったため、月給は3万円~5万円で、ボーナスをもらえることもあったがない時代もあったと振り返る。細川も家賃は事務所負担だったため、支出を抑えることでなんとかなっていたという。しかし「いくら何でも苦しいな」と思い社長に「アルバイトをしていいか」尋ねたところ、「そんなのするな!」と止められたのだそうである。ちなみに細川はここ数年も、貧困にあえいでいることをテレビやインタビューで明かしている。
山田まりや(37)も2人と同じくイエローキャブに所属していた。1年間で8日しか休日がない多忙ぶり、給料制で家賃は事務所負担だった点などは先輩人と共通する。結婚してからなぜか給料が歩合制になったそうだが、その額を見て「あのヒゲ!」と社長に怒りが湧いたとのこと。給料制の時は事務所の取り分が多かったということか。
”袋とじの女王”と呼ばれ、M字開脚で一世を風靡したインリン・オブ・ジョイトイ(41)も給料制で、月収がMAXで50万円を超えたことがないと話した。当時の自宅はワンルームマンションで、毎日コンビニ弁当やラーメンを食べて生活していたそうだ。
唯一の“現役グラドル”として出演した篠崎愛(25)は、2006年に14歳でグラビアデビューしており、2010年に所属事務所を移籍している。以前所属していた事務所社長がどんどん華美な装いになっていく一方、自身の給料は5万円だったと告白。様々な媒体に水着グラビアが掲載され若くして売れっ子状態だったはずだが、彼女の保護者はその給与で納得していたのだろうか。納得できないから、移籍に踏み切ったのか。そのころ篠崎はマクドナルドと八百屋でアルバイトをしていたそうだ。今の事務所では2年前から歩合制となり、ようやく自分の仕事の単価を知って驚いたという。
また、韓国でも絶大な人気を誇る篠崎は「日本でグラビアやってると全然稼げない」と明かす。日本で雑誌の表紙を飾ったとしても、自身のプロモーションという名目のため、ほとんどギャラは支払われない。しかし韓国芸能界は篠崎に対して「出てください」「出てくれた!」と低姿勢。ギャランティは日本の倍以上になるそうだ。需要と供給の違いだ、と簡単に片付けられるものだろうか。
一方で、1月17日放送の『良かれと思って! 女性芸能人50人が芸能界の(秘)ウラ事情を暴露SP』(フジテレビ系)に出演したグラドルの葉加瀬マイ(30)は、破格のギャラを貰ったエピソードを披露していた。葉加瀬が、写真集を1冊リリースしてもギャラ25万円程度の生活を送っていた4年前、パチンコ台のゲーム画面に流れる映像に出演する仕事が来たという。葉加瀬はグラドル30人の中のひとりとして出演したため「さすがにその人数だとギャラは期待できない」と覚悟していたが、後日「250万円も振り込まれて驚いた」そうだ。富豪家庭で育ったお嬢様グラドルというウリの葉加瀬マイだが、金銭感覚は庶民的なようである。
ともかく、これまで多くのグラビアアイドルが、「働いても働いても給料が安い」と口を揃えてきたが、芸能事務所がそれ以上の額を安定して支払えない懐事情もあるのかもしれない。「タレントは売り出し資金がかかる」が定説だからだ。その資金を回収し終えれば、ギャラはUPすると言われている。また家賃など生活費を事務所が負担している以上、給料が安くても文句を言うべきでないという慣習もある。
労働時間が長くても薄給が当然の業界だからこそ、「枕営業がある」「愛人契約のお誘いがある」といった裏話が常に語られ続けるのだろう。懐に余裕のある男性にとって、薄給の彼女たちは愛人に誘いやすい存在として映り、女性側も悪くない話だと認識しやすい環境が整っている。グラビアアイドルを取り巻く環境自体が、愛人契約に辿りつきやすい構造になっているのではないだろうか。
(ボンゾ)
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