トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ  > 相撲界で隠蔽されたセクハラの現実

辞職の式守伊之助だけじゃない! 相撲界で隠蔽されてきた「“太専”行司によるセクハラ」の現実

※イメージ画像

 セクハラ行為で3場所出場停止処分となった大相撲の立行司、式守伊之助が辞職の意向を示したため、初場所は式守勘太夫が代役を務めている。だが、この処分に対し、日本相撲協会内部から不満が噴出しているという。「過去、行司のセクハラは、大半が不問に付されてきたのに」という声があるのだ。

「今までも、行司によるセクハラ/パワハラは、協会に報告されても、明確に処分されたことなどほとんどなかった。今回は日馬富士の問題があって世間の目が厳しくなっているから、パフォーマンス的に厳しい処分を下した感じがする」(角界関係者)

 伊之助は昨年12月、沖縄・宜野湾市で行われた冬巡業の夜に、宿泊先のホテルで行司仲間と飲み会をしていた際に泥酔。部屋まで送った10代の若手行司に、複数回のキスをするなどのセクハラ行為があったといわれる。

 危機管理委員会の聴取に、本人は「酒に酔って覚えていません。男色の趣味があったわけではない」と説明。被害者の若手行司は処罰を求めていなかったが、年明けに本件が明るみに出たことで協会は処分を科し、伊之助は自ら辞職することになった。

 行司のセクハラは、2011年にも発覚したことがある。故・鳴戸親方が角材で弟子の頭を殴打したり、体重を増やすためにインスリンを注射していたという問題が報じられた際、元三段目力士の証言から、部屋付行司によるセクハラ被害が明らかになった。その後、元力士2人が、暴力被害のほか、行司に抱きつかれ下半身を触られて精神的苦痛を受けたとして、故人の法定相続人である妻子や行司に対し、損害賠償を請求する裁判を起こしている。

「あのとき協会側は、部屋内部の問題というスタンスを貫いていたし、角界のセクハラは基本、隠蔽する体質になっている」と関係者。

 現在は飲食店を営む元力士からも、これに近い証言があった。

「私が現役だった頃、年輩の行司で『ゲイの太専(ふとせん)には、たまらない職場や』って、よく耳元でささやく人がいたんですよ。太専って、いわゆるデブ専(肥満体フェチ)のことらしく、太った男を性的な目で見るってことなので、裸で商売する力士からすれば気色悪いわけです。自分はなかったですが、すれ違いざまに体に触られたという力士もいましたしね。でも、そのことを親方に言うと『冗談を本気にするな』と殴られてしまうんです。先輩に相談したら『この業界は、デブ専の奴がたまに入ってくる』って言ってましたけどね。児童が好きで小学校の教師になるような奴が、こっちにもいるって」

 角界にゲイがいても、それ自体が問題ではないが、セクハラは男女に関係なく社会問題とすべき話。しかし、それが「ジョーク」で済まされてしまうところに、角界の問題意識の低さがあるのかもしれない。

「基本そういうセクハラなんか、めったにない話だっていう認識があると思うんですよ。でも、もし力士たちが女性の集団なら、この手の話には、もっと敏感なはずじゃないですか。男性へのセクハラが実際にあるのだから、厳しい目で見てほしかったですね」と元力士。

 聞けば、この元力士は部屋内の人間関係に嫌気が差して、20代で土俵を去ったのだという。「それこそボクシングジムみたいに自宅から通いというスポーツだったら、今もやっていたと思いますよ」と話しているが……。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

最終更新:2023/01/26 18:54
ページ上部へ戻る

配給映画