風間俊介、中居正広、櫻井翔…東京五輪を目指すジャニーズの戦略
平昌五輪が開幕する。各局のキャスター陣が明らかになったが、今回も目立つのがジャニーズタレントの躍進。日テレは嵐の櫻井翔。TBSは中居正広と今やスポーツイベントの顔ともいえる2人。さらにNHKではパラリンピックのキャスターに風間俊介の起用が発表された。
「今や櫻井は日テレのニュースの顔。中居はTBSのスポーツ番組のキラーコンテンツになっていて、早くから決まっていた。風間も前回に次いでNHKに起用されましたが、ジャニーズの中でもグループでの活動をすることなく役者として売り出し中の異色の存在。昨年、高視聴率を記録した『陸王』ではニヒルな銀行員の役で存在感を示した。今年はNHKのドラマに起用される機会が増えると見込まれています。一方、テレ朝は松岡修造という鉄板のスポーツキャスターがいるので、ジャニーズの入る余地はない」(放送記者)
ジャニーズタレントといえば、歌って踊れるグループとしてデビューし、グループ解散後はソロとなって歌手活動を続ける者はほとんどいない。唯一、事務所を辞めた郷ひろみと田原俊彦が今も歌と踊りを続けている程度。大半は役者やタレントになっていく。
「グループだから歌と踊りのパフォーマンスは成立している。ソロでやっていける人はいません。個人の歌手としての技量では通用しない。それをわかっているから歌手になる人はいない」
それはグラドルと似ている。彼女たちも水着などでグラビアに露出して世間に認知させ、その後に女優やタレントへと転身する。ジャニーズもグループとして活動して人気を得て、次のステップへシフトしていく。グループ活動は役者やタレントになるための手段に過ぎない。「ジャニーズは本当の芸能人になるための学校みたいなもの」と言われる所以である。
木村拓哉はすでに「役者」として動き出し、中居は司会を中心としたタレントに舵を切っている。ちなみに、独立した元SMAPの3人は未だにどの方向に進もうとしているのか、不透明な状態が続いている。
「結局、歌と踊りを続けるわけではなく、役者かタレントしか道がないのが現状。役者は人気だけでは通用しない。やはり才能と役者としての技量が最終的にはものをいう厳しい世界。成功者はV6の岡田准一ぐらいしかいない。あとはかろうじて東山紀之と舞台役者に転身したV6の森田剛が役者として通用している。しきりにドラマに出ている後輩たちは事務所の力でドラマの主演を張っているが、テスト的な段階。今のところ、役者としての資質があるタレントがいるかとなると誰もが首を捻ります」
結局、無難な転身先がタレント。ただし、このジャンルは芸人やバラドルなど参加者が多い激戦区。ジャニーズの人気タレントとはいえ、生き残るのは難しい。そこで新たな進出先として浮上したのが司会、キャスター、そしてスポーツキャスターである。情報番組の司会はすでにV6の井ノ原快彦、TOKIOの国分太一が活躍し、その座を確立しつつある。さらに、ニュースキャスターも慶応卒の櫻井、明大卒のNEWSの小山慶一郎が、学歴を武器に進出している。最近は東山紀之も日曜早朝の報道番組でキャスターを務めるが、「イマイチ。まだ勉強不足」との声が多く、一過性に終わる可能性もある。そして、今後の注目ジャンルがスポーツキャスター。
「爽やかなイメージがあり、タレントとしての価値も上がる」と言われるだけに、元は少年野球チームだったジャニーズにとって格好のジャンル。さらに、二年後には東京五輪が開催される。ジャニーズならずとも芸能界が食指を動かそうとしている美味しい世界。どういう形で五輪に関わるか、先手必勝とばかりに動き出しているのがジャニーズ軍団。中居も櫻井も平昌五輪キャスターは前哨戦。ここで実績を作って東京五輪のキャスターにステップアップを狙っているという。中居は実績から、ジャニーズが特にプッシュしなくても当確。櫻井はジャニーズの中でも超エリート扱い。ゆくゆくはキャスターを本業とすると言われているだけに、「事務所が力を入れている」と言われている。さらに、NHKでスポーツ番組の司会をしている嵐の相葉雅紀。一時、フジテレビでスポーツを担当していた国分も返り咲きを狙っているという。日テレでプロ野球のゲスト解説を担当している亀梨和也も、五輪の野球限定でのキャスター就任の声も出ている。テレビ関係者が話す。
「ジャニーズはタレント総出で開会式か閉会式のイベントに参加することを目標にしている。さらに総合演出をジャニー喜多川が狙っているという話まである。テレビ各局にもジャニーズタレントがキャスターでなくとも、なんらかの形で関わる。そんな野望もあるそうです。今後、スポーツジャンルへのジャニーズの進出はさらに本格化することになるでしょう」
まるで五輪はジャニーズのためにあるかのようだ。
(敬称略)
二田一比古
1949年生まれ。女性誌・写真誌・男性誌など専属記者を歴任。芸能を中心に40年に渡る記者生活。現在もフリーの芸能ジャーナリストとしてテレビ、週刊誌、新聞で「現場主義」を貫き日々のニュースを追う。
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