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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 本・マンガ  > 悪質サイト「漫画村」を見てはいけない

子どもまで当たり前に使ってる……マジコンに続く新たな社会問題「漫画村」を見てはいけない

「漫画村」より

 また悪質なサイトが登場した。雑誌や単行本などを違法にアップロードし公開するサイトの登場と摘発のいたちごっこは、やむことがない。

 2017年には、日本最大級の海賊サイトとまで呼ばれた「はるか夢の址」が摘発され、運営者ら9人が逮捕された。

 だが、類似のサイトは雨後の筍のように登場する。その中でも、特に悪質なサイトとして話題になっているのが「漫画村」である。このサイトが扱うのは単行本から雑誌まで多岐にわたる。

「漫画村は日本国内のいかなる企業・個人との関わりはありません」とし、漫画村内のサーバーには画像を保管していないので違法ではない、あるいは、運営は海外なので日本の法律は適用されないなど、さまざまな方便を用いて著作権権利者からの批判や摘発から逃れようとしている。

 この巨大な海賊サイトの問題は、あまりに浸透しすぎていること。17年12月頃からはネットのあちこちで「小中学生が当たり前のように使っている」といった書き込みに始まり、子どもだけでなく親までもが、違法だと知りながら利用しているという証言が見られるようになっているのだ。

 子を持つ親世代が「うちは貧乏だから」などと無理矢理に泥棒を正当化する行為。かつて「マジコン」で起こった現象が、再び繰り返されているようだ。

 だが、そうした人々の小さな悪は、より巨大な悪に使用されているのである。この漫画村は会員登録も不要で、まったく無料で閲覧することができる。だが、おいしい話には裏がある。

 17年10月時点の報告では、漫画村のサイトには、仮想通貨マイニングのスクリプトを埋め込み、閲覧する機器のCPUと電力を使って閲覧者にマイニング(採掘)させることが可能になっていたというのである。

 結論だけいえば、ここでマンガを読んでいると、その裏では新規発行される仮想通貨が運営者にジャラジャラと流れ込むといったプログラムが埋め込まれているというわけである。

 同様の行為は、さまざまな海賊サイトで行われてるとされ、多くの小さな悪がマンガをタダで読むという代償を払っているのである。

 こうした悪質な企みに対して、17年12月末には、オペラが最新ブラウザ「Opera 50」のベータ版で主要ブラウザとしては初となる仮想通貨マイニングスクリプトのブロック機能を内蔵するなど、ブラウザ側の対策も始まっている。

 とはいえ、最良の方法は怪しげな海賊サイトを使用しないこと。これが原因で好きな作家が心が折れたら困る。そういえば、少しはわかってもらえるだろうか?
(文=是枝了以)

最終更新:2018/01/06 16:00
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