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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.461

人気女優ミシェル・ロドリゲスが性転換手術をした!? 2018年きっての珍作No.1に決定『レディ・ガイ』

ミシェル・ロゲリゲス主演のアクション映画『レディ・ガイ』。ミシェルは性転換手術を受け、大変身!!

 ミシェル・ロドリゲスといえば、『ワイルド・スピード』(01)や『バイオハザード』(02)などの大ヒットシリーズでおなじみの人気アクション女優。アイパッチ姿で機関銃をぶっ放す『マチェーテ』(10)なんかサイコーだった。そんなミシェルのキメキメなガンアクションが満載で、しかもフルヌードまで披露している見どころたっぷりな主演映画が『レディ・ガイ』(原題『THE ASSIGNMENT』)。共演が『エイリアン』(79)のシガニー・ウィーバーで、『48時間』(82)や『ストリート・オブ・ファイヤー』(84)などの男臭いアクション映画を撮ってきたウォルター・ヒル監督が長年温めてきた企画と聞くとすごく期待値が高まるわけだけど、この映画いろんな意味でこちらの想像を遥かに上回る超エクストリームな怪作なのだ。

 ミシェル・ロドリゲスが出演OKしなければ、実現しなかっただろうこの映画。ミシェルはマジで体を張りまくっています。彼女が演じるのは、フランク・キッチンという名の凄腕の殺し屋。それだけでは別に驚かないけど、このフランクという殺し屋は髭づらの男。裏社会で長年サバイブしてきたタフガイだが、あまりにも多くのターゲットをあの世送りにしたため、敵も少なくない。髭づらのミシェルが素っ裸になって、股間から立派な男性器を起立させているところが、序盤の見逃し厳禁ポイントです。背筋がぞわぞわしてきませんか?

 男性フェロモンむんむんなフランクだが、ある日いつも彼に仕事を回しているマフィアのボスから騙し討ちに遭い、気がつくとそこは安ホテルのベッドの上。全身を包帯でグルグル巻きにされていたフランクが包帯をむしり取ると、びっくり仰天! なんと彼の胸にはたわわなおっぱいが弾み、股間にあった大切な男性シンボルが消えてしまっていた。フランクが意識を失っている間に、悪の天才女医ジェーン(シガニー・ウィーバー)の手によって性転換手術を施され、女性に生まれ変わっていたのだ!!

気違い女医(シガニー・ウィーバー)の闇手術によって、フランク(ミシェル・ロゲリゲス)は女性に変えられてしまった。

 女医ジェーンはかつてフランクによって弟を殺され、その復讐としてフランクに性転換手術を行なった。ジェーンいわく「女として生まれ変わって、人生をやり直すチャンスをあなたにあげたのよ」とのこと。この女医も狂っているけど、こんな企画を35年間にもわたって温めてきたウォルター・ヒル監督もどうかしてるよ。みずからこの役に名乗り出たミシェル・ロドリゲスもおかしいし、お正月映画として劇場公開する配給会社もやっぱり変。新年早々、みんなどうかしています。

 性転換手術を凶悪犯罪者への罰のように描いているこの設定は、ジェンダー問題に敏感な人からは非難されているとのこと。ウォルター・ヒル監督もそのことは想定済みだったらしく、以下のように語っている。

ウォルター「トランスジェンダーはこの映画のストーリーにおいては重要な問題だが、テーマではない。これは復讐を描いた映画なんだ。ダークファンタジーだ。トランスジェンダーが直面している現実とは、何の関係もない。この映画には、現実のトランスジェンダーの考え方を否定したり、反論したり、揶揄している部分はいっさいない」

 ぶっ飛び系復讐ドラマとして楽しんでほしいというのが、もうすぐ76歳になる超ベテラン監督の主張だ。それでもやはり、ジェンダーの在り方がこの作品を異色なものに押し上げている。天才女医ジェーンは、フランクがあまりにも攻撃的な男性であるため、性転換手術し、女性ホルモンを投与すれば、まっとーな人間に更生するに違いないという持論を試すために違法手術をやったわけだ。ところが性転換手術によって体は女になっても、フランクの心は元の男のまま。失った男性シンボルの代わりに、拳銃と弾丸へのこだわりをますます見せるようになり、こんな体に改造した女医ジェーンへの復讐心をメラメラと燃やすことになる。クライマックスでは女としてのセクシーな肉体さえも武器に使って、自分を陥れた奴らを次々と血祭りにしていくのだった。

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