浦和レッズ、クラブW杯で惨敗も……“堀監督批判”は、なぜ少ない?
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浦和レッズのクラブワールドカップ10年ぶり2度目の挑戦は、初戦で幕を閉じた。
厳密に言えば、5位決定戦があるため、もう1試合あるのだが、これは無意味な戦いといっても過言ではない。対戦相手はアフリカ王者であるモロッコのウィダード・カサブランカで、チームに格式もなく、有名選手もいないチーム。それを浦和選手たちも理解しているからこそ、初戦の開催国王者アルジャジーラに敗れた後に、「なんのためにアジアチャンピオンズリーグ(ACL)を優勝したのか」と、うなだれていたに違いない。
アルジャジーラにさえ勝てば、次の相手は前回大会覇者で欧州王者のスペイン・レアルマドリード。そこで敗れたとしても、本田圭佑のいる北中米カリブ王者のメキシコ・パチューカ、もしくは南米王者のブラジル・グレミオとの3位決定戦と、モチベーションが上がる2試合が待っていた。
浦和レッズにとってアルジャジーラとの一戦は、絶対に負けられない戦いだった。だが、結果は0-1での敗戦。そんなレッズに対し、「好機を決められず、一発に沈んだ」という報道が多かったが、「実際は違う」とサッカーライターは指摘する。
「堀監督は、格上の相手の攻撃を受け止めて、カウンターで沈めるリアクションサッカーが得意です。しかし、同格以下のチームが相手ですと引いてきます。守ってくる相手に対して、例えば斬新なコンビネーションでアグレッシブに何人もが絡んで攻撃するようなアクションサッカーはできない。それが顕著になった試合でした。引いてカウンターを狙うアルジャジーラに0-1で負けるというのは、セオリー通りの負け方といえます。監督の力不足の表れと糾弾されても仕方がありません」(同)
確かに、浦和はACLを制してから公式戦で3試合連続無得点中である。前任のミハイロ・ペトロヴィッチ監督の時のような失点はなくなったが、逆に得点も奪えなくなってしまった。だが、堀孝史監督を批判するような声は少ない。いったいなぜなのか?
「いま、日本のサッカー界では『アンチ自分たちのサッカー』が流行っていて、相手を見てリアクションできないと勝てないと言われている。確かにそういった側面もあるのですが、自分たちでアクションも起こせないと試合には勝てないのが、今回でわかったはずです。今まで『自分たちのサッカー』が強調されすぎた故に、アレルギーとして、例えば日本代表のハリルホジッチ監督のリアクションサッカーなどが戦術として支持されているのでしょうが、サッカーはアクションもリアクションも必要なんです」(同)
確かに、最近のサッカーの記事は、守備システムの話から「世界はリアクションサッカーになっている」と結ばれている気がする。その流れでハリルホジッチ監督も、専門誌に支持されていた。堀監督も、その系譜だから、さほど批判されていないのだろう。
だが、攻守両面のあるサッカーは、リアクションもアクションも起こさないといけないはず。そう主張しても、ハリルホジッチ監督や堀監督を支持するメディアには、一笑に付されそうだが……。
(文=TV Journal編集部)
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