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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 『M-1』「敗者の弁」を振り返る

『M-1グランプリ』直後のGYAO!生配信が“神番組”すぎた! 漫才師たちの「敗者の弁」を振り返る

GYAO!「M-1グランプリ2017 特集」より

 芸人のカッコよさを、改めて思い知らされる今年の『M-1グランプリ』だった。最終決戦に残った3組は、いずれ劣らぬ戦いを見せてくれた。

 3回戦から最終決戦まで、すべて違うネタで挑んだ和牛には、あ然とさせられたし、2015年の敗者復活戦で、トレンディエンジェルに本選出場→優勝までかっさらわれたとろサーモンが、最終決戦で同じネタをブッコんできたのには底知れぬ執念を感じた。千鳥をして「天才」「吉本の屋台骨になる」といわしめる結成わずか5年のミキにとっても、これ以上なく鮮やかなメジャーデビューの舞台となった。

 最終決戦の結果については、さまざまな意見があると思う。筆者も、3組が終了した時点では和牛の優勝は固いと感じた。

 それでも、感極まる審査員の大御所たちの姿と、何よりとろサーモンの破顔した表情を見ていると、自然と「おめでとう、久保田……」と、思わず目頭が熱くなった。そしてなぜか、「ありがとう、村田……」と思った。久保田をここまで連れてきてくれてありがとう……どういう立場での感情なのかは、自分でもよくわからないが。

 本戦の詳細についてはネット上に山ほど記事が上がっているので、ここでは今回放送後にネットで生配信された特別番組について振り返ってみたい。これが、すこぶるよかったのだ。

 

■放送直後にGYAO!で1時間

 

 放送直後からGYAO!で始まったのが『世界最速ファイナリスト全員集合スペシャル賞金1000万円贈呈式もあるよ~』。

 昨年、一昨年の王者である銀シャリとトレンディエンジェルを招き、陣内智則の仕切りで“敗者の弁”を引き出すという企画だ。芸人たちにとっては酷な企画だが、さらに酷なことに、座る場所は「順位順」だという。

 これにすぐさま反応したのが、和牛・水田だった。

「しんどいしんどいしんどーい!」

 大きな身振り手振りで、笑いを取る。最終決戦の結果発表直後、世界が終わったかのような無表情で立ち尽くしていた水田が、芸人魂を振り絞っている。声が出ている。笑いながら、もう泣けてきてしまう。

「紹介しましょう! とろサーモンに負けて優勝を逃した人たちでーす」

 陣内の軽薄なMCが、逆に湿っぽさと緊張感を取り払ってくれる。一斉にツッコミが入る。楽しい。

 ゆにばーす・川瀬は「西に爆弾仕掛けたいです」と不機嫌な顔を作る。キャラクターをまっとうしているが、とろサーモンの優勝が決まった瞬間に、柄にもなく大喜びしていた姿がテレビカメラに抜かれていたことには、まだ気づいていないのだろう。

 この番組どこまで酷なのか、敗退した9組は「なぜ負けたのか」を漢字一文字で表すことを命じられる。1組ずつ、芸人たちは自ら本音を明かしていく。

 

■10位・マヂカルラブリー「全」

 

「すべて」。村上が、ドドン! と色紙をかざす。フリップではなく普通の色紙なのも、いかにもネット配信っぽい。

 マヂカルラブリーにとっては、つらい『M-1』になった。野田は「エゴサーチしたくない」と語り、村上も「(芸人を)辞めようと思った」と言う。準決勝ではドハマリした「野田ミュージカル」が本戦でハマらず、審査員の上沼恵美子から存外に厳しい言葉を投げかけられた。

 トレンディエンジェル・たかしはマヂカルラブリーの優勝を予想していたという。陣内が「野田は天才なんちゃうか、という空気だけは出ていた」とフォローすると、「空気だけ?」と絶妙な間と表情で返してみせた。

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