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日刊サイゾー トップ > 社会  > 岡山空港の愛称募集に担当者困惑
「もう岡山空港でええじゃろ……」

“大喜利”と化した岡山空港開港30周年愛称募集に担当者も困惑「狙ってやったわけじゃない……」

岡山空港30周年ホームページより

 桃太郎空港じゃダメなのかなあ。

 岡山県が岡山空港開港30周年を記念して行っている愛称募集が話題を集めている。

 同空港は、1988年3月に開港。現在は国内3路線のほか国際4路線が就航する、中規模の空港である。

 その30周年を迎える来年3月に向けて始まった募集だが、話題となっているのは、愛称に求められる条件だ。

「愛称のみをもって岡山空港だとわかること」

 パッと誰もが思い浮かぶのは「桃太郎空港」。それ以外に考えるなら、いっそ「岡山空港」のままでよい気もするのだが……。

「ぼんやりとした投げかけになってしまいました……狙ってやったわけじゃないんですけど」

 県航空企画課の担当者は、そんな声を漏らす。今回、開港30周年を迎えるにあたって愛称募集が企画された経緯は、誰にでもわかる親和性のある愛称をつけることが目的。

 すでに、全国にはさまざまな愛称を持つ空港がある。しかし、それらを調査した結果「あまりになじみのないものをつけると、定着しない」と考え、募集することが決まったのだという。募集では触れられていないが、想定されるのは「岡山○○空港」などのように○○の部分に、一発で岡山だとわかる要素を入れたものだそう。

 確かに、すでに愛称を用いている空港には、とがっている向きもある。「富山きときと空港」「鳥取砂丘コナン空港」「高知龍馬空港」などなど、やる気はわかるが、定着しているかといえば謎。富山の人に聞いても、最寄りの空港を「きときと空港」などという人はいない。

 ちなみに、こうした傾向は日本だけではない。

 パリのシャルル・ド・ゴール空港とか、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港は、まだ有名どころだからよい。イタリアのピサ空港は「ガリレオ・ガリレイ国際空港」という愛称を持つが、これを聞いて、どこにあるのか知っている人は少ないのではなかろうか。

 これは推測だが、岡山県は、妙な愛称をつけてしまい「しまった」と思った実例が多いために、公募を行っているのではないかと思われる。やはり、桃太郎がメジャーな土地だけに「桃太郎アリーナ(岡山県総合グラウンド体育館)」や「桃太郎スタジアム(岡山県総合グラウンド陸上競技場)」など、「桃太郎」を入れるのは定番。さらに別の名物も使おうとした結果、「マスカットスタジアム(岡山県倉敷スポーツ公園野球場)」「ママカリフォーラム(岡山コンベンションセンター)」などという愛称の施設も。それならまだよいが、JR西日本では昨年から県内を走る吉備線の愛称を桃太郎線に。駅の案内などにも「桃太郎線」と書かれている。これには、何十年も使われた名称の変更だけに、地元では「違和感がありすぎじゃ」という声も。

 順当にいけば、結局「岡山桃太郎空港」になるであろう空港名。ネットでは「津山三十人殺し空港」「加計学園空港」など、大喜利が盛んに行われている。

 もう「ぼっけえ空港」とか「きょうてえ空港」でいいんじゃないかな。
(文=昼間たかし)

最終更新:2017/11/30 18:00
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