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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 真っ赤に怒る生き物みたいな丼
ホントにうまいのか? 珍級グルメハンター第79回

真っ赤に怒る伝説の生き物みたいな丼『赤い●々●』の正体とは……?

赤くてベリーベリーなフルーツグラノーラ?

 

「天狗」の由来って、なんだか知ってる!? なんと、明治後期、浦賀に来航した黒船に乗った西洋人だっていう説があるらしいのだ!!

 マジかよって思いながらよく見比べたら、鼻がとんがってて赤い顔、パッと見怖そうって、天狗のイメージそのものだった! そして、まるでレッドでホットでスパイシーなコイツみたいでしょ!?

 真っ赤に燃える唐辛子の海は、まるで別府の血の池地獄に浮かんだ、ベリーのフルーツグラノーラみたいじゃないっすか?

 果たしてこの料理の正体は…?

 

太めの平打ち麺がよく合う。

 

 そう、ラーメンなのだ!!

 もちろん、そんじょそこらのラーメンじゃないことは一目瞭然。なにせ具は、チャーシューもメンマも煮卵も乗っかってない上に、丼に浮いているのはこんなのや、

 

細くて長い、悪魔の爪のようだ。

 

 こんなのや、

 

鬼灯(ほおづき)のようにも見えるが……。

 

 こんなに真っ赤なスープだけ!!

 

そのひとくちがシビれとなり、そのひとくちが旨味となる程よい辛さ。

 

 超シンプルに、“激辛”を猛烈アピールしている、すなわち、これからの季節にぴったりのラーメンってことなのだ。

 そして今さらですが、筆者は激辛が大のニガ手。トムヤムクンでもヒーヒー悶絶することがあり、しかも、持っているのは庶民の舌というありさま。

 この“担々麺”を筆者が食べられれば、ほぼ間違いなく万人が食べられるに違いない。いわば、人柱となって、まずは味見を。

 そこに沈んだひき肉と唐辛子の出汁(?)がよく出たスープをレンゲにすくい、ひとくちすすりあげる。すると……。

「……!!! カラクナーイ」

 舌を刺すような刺激も、頭を火で炙られたような熱さも、ほとんど感じない。味噌のまろやかさが辛さを包み込んでいるようで、香ばしいゴマの風味が口に広がるのさえ感じられるのだ。

「んなバカな」

 さらに、赤くて細長いヤツをかじってみても、ブートジョロキアみたいな丸いのをかじってみても、強烈な刺激は皆無に近い。それどころか、丸いヤツは歯ごたえもあり、若干ジューシーで、「うまい」とさえ感じさせるのだ。

 

 

「ヤバいと知りつつハマっていく悪夢の様だな」

 スープだけでなく、もちろん麺にもたっぷり唐辛子をまとわせて、一気にズズッとすすりあげてみた。たが、むせる気配も感じない。

「ひょっとして、これが旨辛ってやつか!?」

 単純にそう思える担々麺に仕上がっているのだ。

 が、そこでハタと思い当たった。

「お供に頼んだ餃子が落とし穴なんじゃないの?」

 しかし、もちろん単に美味しいだけだった。

 

餃子も辛くはなく、うまいだけ

 

 さすがに唐辛子完食は、翌朝のトイレでの惨事が予想されるのでやめにしたが、いい意味でけっこう見掛け倒し(汗笑)な担々麺という結果に終わった。

 外に出ると、汗ばんだ頭にあたる秋の風が心地よい午後だった。

 ちなみに、現在、吉野家から地域限定で発売されている、「鬼辛豚チゲ鍋膳」の方が、100倍辛かったので、侮るべからず。

 無頼漢担々麺、うもうございました。

 

カウンター席の目の前には、乾燥させた唐辛子や椎茸、煮干しの入ったガラスの容器がずらっと並び、漢方薬局みたいな雰囲気だ

 

六本木 蒼龍唐玉堂 六本木店 「無頼漢担々麺」850円

SNS映え  ☆☆☆
味     ☆☆☆
雰囲気   ☆☆☆

(写真・文=よしよし)

最終更新:2019/11/28 19:05
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