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日刊サイゾー トップ > 社会  > 韓国で“パクリ”が止まらないワケ

ピカチュウにカオナシ、『逃げ恥』まで……韓国で日本コンテンツのパクリが止まらないワケ

韓国「SBS NEWS」より

 韓国特許庁の、ずさんな審査が物議を醸している。

 事の発端は、特許庁の審査を経て登録されたあるデザインが、『ポケットモンスター』のピカチュウに酷似していたことだった。このキャラクターはすでにグッズ化されてインターネット通販などで販売されており、デザイナーは「黄色いウサギをイメージして作った」と説明している。だが、実際にデザインを見ると、耳こそ垂れ下がっているものの、確かにその色合いや造形は、ピカチュウを連想してしまう。

 さらに、このデザイナーの作品には、『千と千尋の神隠し』の「カオナシ」にうり二つなデザインや、メッセンジャーアプリ「カカオトーク」のキャラクター「カカオフレンズ」によく似ているものもあった。ピカチュウの版権元である任天堂はA氏のデザインについて、韓国特許庁に対して異議申し立てを行っており、カカオフレンズ社も法的対応を検討しているという。

 もっとも、韓国でパクリ騒動が起きるのは、珍しいことではない。

 例えば昨年には、韓国で公開されたアニメ映画『月光宮殿』が、『千と千尋の神隠し』にそっくりだとして論争を巻き起こした。月光宮殿に迷い込んだ13歳の少女が家に戻るための道を探すというストーリーに加え、湯婆婆やハクのような登場人物まで出てくるとあって、韓国ではキム・ヒョンジュ監督の名字を取って『キム・チヒロ(千尋)』という別名まで付けられたほどだった。関係者は盗作疑惑について、「我が国の文化財を基盤にした、とても韓国的なアニメーション」などと否定していたが、騒動は収まらなかった。

 また、2003年には、『ワピース』というアニメ作品も登場した。海賊王チャンピが仲間とともに冒険するという内容で、絵柄もキャラクターも『ONE PIECE』に限りなく近い作品だが、結局この制作会社は、「週刊少年ジャンプ」の韓国版権を持つ大元ICの訴えを受け、敗訴している。

 そればかりか、昨年7月には国家そのものにまで、パクリ疑惑が浮上していた。

 韓国政府が35億ウォン(約3億5,000万円)を投じてつくった「クリエイティブ・コリア」という国家ブランドのキャッチフレーズが、フランス貿易投資庁の「クリエイティブ・フランス」を盗用していたとして批判の声が高まったのだ。しかも2つのキャッチフレーズは、ロゴや色まで似ており、与党議員からは「“クリエイティブ・コリア”は、まったくクリエイティブじゃない」との意見も上がった。結局、このキャッチフレーズは、パクリ疑惑もあることから国家イメージの向上を期待できないとして、今年6月に廃止されている。

 最近は、韓国で放送中のドラマ『この人生は初めてだから』が、昨年日本で大ヒットを記録した『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)とストーリーや構成、登場人物などに共通点が多いとして批判を集めているが、韓国でパクリが絶えないことには、法的拘束力の弱さも関係しているだろう。

 韓国メディア「ヘラルド経済」によれば、同国内では、知的財産権と関連する事案については基本的に属地主義または保護国主義の原則が適用されるため、現在は著作権に対する国家間の明確な法的制限がない状況にあるらしい。

 それだけにパクリが横行しているわけだが、韓国の芸能関係者は、「1990年代後半から2000年代初めにかけて、韓国のテレビ局は日本の番組をやたらとパクっていましたが、インターネットが普及してからは、他国のコンテンツに接する機会が増え、視聴者による批判と監視が強化されたことで、日本の番組をパクる傾向は少なくなってきています」と証言している。

 批判の高まりによってパクリが減ってきているという主張だが、それは逆に言えば、盗作をなくすためには世論に頼らざるを得ないということでもある。まして冒頭の事案のように韓国特許庁も信頼できない状態とあっては、世間が目を光らせるしか対策が存在しない状況だといえるだろう。

 誰かの努力のたまものがパクられないよう、批判の声を高めることが必要だろう。
(文=S-KOREA)

●参考記事
・韓国アニメ業界が直視したがらない“黒歴史”と呼ばれる3つのアニメ作品
http://s-korea.jp/archives/8318?zo

・「キムチヒロだ」vs「どこが似ているのか」!! 『千と千尋』に“瓜二つ”の韓国アニメ映画『月光宮殿』
http://s-korea.jp/archives/8841?zo

最終更新:2017/11/09 11:53
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