北京で「刀狩令」、広西チワン族自治区では「給油制限」……中国共産党大会で“過去最大級”の厳戒態勢!
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10月18日に開幕した中国共産党大会だが、テロへの警戒レベルは過去最大級となっている。
「東網」(10月12日付)などによると、首都北京ではスーパーや文具店から刃物類が撤去された。包丁はもちろん、ハサミやカッターなどの文房具まで店頭から消える徹底ぶりで、まるで豊臣秀吉による“刀狩令”である。
こうした異常な状況に、ネットでは「モンゴル族が支配していた元の時代にように、10世帯で1本の包丁を共用しろというのか」「核兵器を持っている強国なのに、何を恐れているんだ!」「次は石ころでも管理するか」といった政府への批判が多数見られた。
市民の話によると、同市では包丁を購入する際、身分証の提示と実名登録がすでに義務付けられている。地方出身者にはなるべく販売しないよう指導され、購入する際にはその場で持ち帰らせず、後日宅配便で送るという過剰ともいえる管理の厳しさだ。テロが頻発する新疆ウイグル自治区では、だいぶ前からこの実名制が導入されているが、北京にまで導入されたことを受け、市民からは不満が噴出している。
テロ対策は多岐にわたる。あるレストランでは火の利用を禁じられ、冷菜しか出せなくなったという。また10月1日からは、地方から北京市内への小包の発送も停止された。まるで陸の孤島である。
厳戒態勢は北京だけでない。広西チワン族自治区北海市のガソリンスタンドではガソリンの小売りが禁じられ、特別な理由がある場合は、公安局に購入証明書を発行してもらわなければならない。しかも1回の給油は10リットルまでで、1カ月に2回までしか許されない。仕事でクルマを利用する人は、いったいどうすればいいのだろうか。同自治区では2015年9月、17カ所で連続爆発テロが発生している。同市は同様の犯罪を警戒しているのだろう。他市でもこのような措置が取られている可能性がある。
また、広東省広州市の地下鉄では、駅での荷物検査が強化されたことで長蛇の列ができ、大混乱に陥った。
腐敗撲滅運動で人気を稼いだ習近平政権だが、ここまで強引なテロ対策は、経済の停滞をもたらしかねない。人民の不満は、刻一刻と増幅しているようだ。
(文=中山介石)
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