業界激震! 彫師の“医師法違反”逮捕例が続出中……海外ライセンス保持デザイナー「免許制があるべき」
#事件 #逮捕
入れ墨を入れる彫師に医師免許が必要とされることに議論がある中、入れ墨にまつわる怖い事件が続発中だ。彫師からは「逆風になっている」という声が聞かれる。
10月12日、暴力団幹部の男が、17歳の少女に彫師を紹介し、右肩から背中にかけて入れ墨を入れさせたことで、埼玉県の青少年健全育成条例違反の疑いで逮捕。男は飲食店で知り合ったアルバイト少女を自宅に住まわせていた未成年者誘拐の疑いでも逮捕されているが、入れ墨に関しては、同時に自称彫師の根岸正敏容疑者も逮捕された。
その少し前、10月5日にも京都で35歳の自称彫師の男が、ネットを通じて集客した女子高校生の腕に入れ墨を入れた疑いで、医師法違反などの容疑により逮捕された。
「彫師たちが未成年には入れないという当たり前のことを守っていれば、医師免許の問題だって持ち上がらなかったかもしれない。ヤクザとつながっている彫師とか、その手の連中に危ないのが多すぎるのがこの問題の背景」
こう話すのは、海外で彫師のライセンスを持っていた経験があるグラフィック・デザイナーだ。相次ぐ事件が「やはり彫師に免許制があるべき」という流れを後押ししているというわけだ。
「必要なのが医師免許かどうかは別にしても、免許を持った彫師であれば、免許を守るために客の身元確認をしっかりするはずで、当然、未成年にも彫らないし、暴力団との付き合いもしない。無免許の彫師たちがいくら免許不要だと主張しても、こういう弊害についての対策も持ち合わせていないと説得力がない。自分の仕事にプライドを持ちたければ、むしろ免許制の方がいいはず」(同)
9月、医師免許なしに客に入れ墨を入れたとして医師法違反の罪に問われた彫師は、異議を訴え法廷に判断を持ち込んだ。結果、大阪地裁は「医師が行なうのでなければ保健衛生上の危害が生じる恐れがある」として罰金15万円(求刑30万円)の有罪判決を出している。
判決では、皮膚の深い部分に針を刺して出血も伴う入れ墨について「感染症の拡大」などの恐れを指摘。「適切な判断を行なうには、医学的知識や技能が必要不可欠」とした。過去、彫師が医師法違反で摘発された例は少なかったため、彫師が医師法違反に当たるかどうかの注目裁判でもあったが、各地で営業する無免許彫師たちは医師免許を取るか、廃業を迫られることになる。
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