「巨大隕石飛来」の中国で、怪しいビジネスが流行! 一方、政府は“不吉な迷信”に戦々恐々!?
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10月4日、中秋の名月を迎えたこの日の夜、中国雲南省の上空で、巨大な隕石の飛来が確認された。米航空宇宙局(NASA)によると、雲南省シャングリラ市中心部から北西40kmの地点に、隕石は落下したという。近年まれに見る今回の隕石の映像は、上空の月を撮影しようとしていた多くの人々に撮影され、その迫力ある映像はネットを介し中国全土に広まった。そんな隕石落下から数日、中国ではこの隕石にまつわる新手の詐欺ビジネスが横行しているようなのだ。
「東北網(10月11日付)」によると、雲南省上空で爆発した今回の隕石の欠片をインターネット上で高額販売する者たちがいると報じている。中国のネット市場では、《火星隕石》というタイトルで、キーホルダー型に加工された石を、なんと8,000元(約13万円)もの高値で販売するものが現れた。さらにネット上には他にも、「隕石1欠片 1万元(約16万円)」や「隕石1g 2万元(約32万円)」で販売を謳うものなど、多くの怪しい業者がはびこっている。
中国科学院で天文学を研究する専門家は、「販売されている隕石の写真を見れば、すぐにニセモノだと分かる。99.9%ニセモノ。今回雲南省で目撃された隕石は上空37kmで爆発して、わずかな欠片さえもまだ発見されていない。今回、落下した隕石の破片を発見するのは海原で針を探すようなもの」と、呆れ気味に話した。現在、隕石の落下地点とウワサされる雲南省シャングリラ市の山中には、一攫千金を夢見た現地の農民や、自称隕石ハンターを名乗る隕石マニアが世界中から訪れ、GPSやドローンを使い隕石の探索にあたっているという。
今回の隕石落下に関して、中国政府はなぜか沈黙を貫いているが、どうやらそれには訳があるようだ。
中国事情に詳しいジャーナリストはこう話す。
「中国では、昔からの言い伝えで、隕石は大きな災難をもたらすと言われてきた。1976年に吉林省で巨大な隕石が落下したが、同年、中国では唐山大地震が発生し60万人以上が死亡。さらに毛沢東も死去しています。山東省で隕石落下が目撃された97年には、中国最高指導者の鄧小平(とうしょうへい)が死去。中国では今月18日から、中国共産党最大イベントである全国人民代表大会が行われるため、国難を連想させる隕石が、こんなタイミングで落下したことなど、発表できるはずがない」
2012年に重慶市で起こった薄熙来事件の際も、その直前に中国では流星群と隕石落下が目撃されている。今回落下した隕石だが、果たして何を暗示しているのだろうか。
(文=青山大樹)
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