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日刊サイゾー トップ  > 「性具+催眠音声」の可能性の追求
快楽の求道者の終わらない旅路

「アダルトグッズ+催眠音声」の可能性を追求するトランスイノベーションへの誘い

1010_saimin.jpgトランスイノベーションの公式サイトより

 世に「変態紳士」というスラングがあるが、そんな言葉がピタリとあてはまる人に初めて出会ったと、思った。

 それが、このルポルタージュのテーマである催眠音声付きアダルトグッズという新たなジャンルを切り拓く、トランスイノベーションを立ち上げたT氏の第一印象であった。

 その日の待ち合わせは、都内某所のターミナル駅。約束の5分程まえに、指定された改札の前で、私は柱にもたれかかった。

 どんな人が来るのだろうと思いながら、私はiPhoneを取り出して、今日の取材テーマである品物が掲載されているホームページにアクセスした。

 そこには、扇情的というよりも倒錯的な言葉がいくつも綴られていた。

「M男専用 催眠ボールギャグ」

「意地悪過ぎる女の子の射精管理遊び」

 これは、商品名。そして、いかにも危なげな感じのする女のコのイラストと共に、こんな煽り文句が記されていた。

「挑戦者求む
 あなたを マゾ玩具化させる 限界まで追い込む音声付き」

 近年は、インターネット通販の発達もあってか、ごくごく自然に使われるようになったアダルトグッズ。そこは、次々とユーザーが予想だにしない製品が生み出される世界。

 その中でも、この2つの製品は「変態さ」が際立っていた。

 そして、日々更新されるTwitterのトップに固定されたアオリもまた、自分たちの開発した製品の変態性への自身に満ちあふれていた。

「おら、どM共かかってこいや!! いやかかってきてもいいよ? いやすいませんかかってきて下さい 買って・・・下さいOTL」

 わずかな言葉の中には、情熱が満ちていた。

 単に、自社の製品を売るためだけに冗談交じりに書いたアオリ文句……とは、とても思えなかった。製品への、揺るぎない自信の表明。そして、その変態じみた内容を、気取ったりするのではなく、本気で大勢の人に楽しんで、ハマってもらいたいという心意気が、溢れているように感じたのだ。

 そして、音声。「音声付き」と控えめにしている。あたかも、オマケであるかのように、さりげなく添えられた言葉。でも、その音声の制作者を見て、購入をすることを決めた者も数限りないだろう。それは、尖った嗜好に、完全に合致した人物である。

 ボールギャグの音声はキャンドルマン。オナホールは、B-bishop。

 いずれも、ある嗜好では極めて知名度の高い人物である。

 そう、催眠音声やオナニーサポート音声などアダルト向け音声作品の世界において。

■第三の快楽に酔う音の世界

 催眠音声とは、読んで字の如く、音声だけによって行われる催眠術である。ネットで検索すれば、同人ダウンロードサイトで販売されているものから、無料でダウンロード可能になっているものまで、さまざまな音声を見つけることができる。

 極めてニッチな趣味と思われるかも知れないが、このジャンルは多彩だ。ストーリー仕立てにして、さまざまな物語の中で登場人物になっているような気分で楽しむ催眠を目指したもの。あるいは、さまざまな音の変化を用いることで催眠と快感とを目指したものなど。ひとつとして、似たり寄ったりな作品がない、極めて尖ったジャンルである。もし、大きく分類するならば、ウェットとドライであろう。前者は、催眠にかかりつつ、男性が自分のペニスを弄って射精するというもの。これは、催眠+射精によって、通常のマスターベーション以上の快感を目指すものといえる。

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