なんだこの番組!?『緊急生放送! 山田孝之の元気を送るテレビ』を成立させた、いとうせいこうの手腕
#テレビ東京 #山田孝之
7日深夜、突如テレビ東京系列で放送された『緊急生放送! 山田孝之の元気を送るテレビ』。
水原恵理アナが、「山田孝之の演技入門をお送りする予定でしたが、大幅に内容を変更してお送りします」と、まるで災害情報を伝えるかのようなテンションで告げて、突如始まったこの番組。突如といったのには、理由がある。この番組は、ほんのすこし前まで『山田孝之の演技入門』として予告されていた枠だった。しかしオンエアの少し前に突如ホームページにて内容の変更が告知され、『演技入門』という、どこか懐かしさを感じるEテレのごときプログラムは『緊急生放送』という、けたたましい煽り文句のついた特別番組に姿を変えた。
■「山田孝之×テレ東」といえば
そもそも「山田孝之がテレ東でなんかやる」ことには、さんざん我々は振り回されてきた。
山田孝之が、自身を見つめ直すために赤羽に移住し、ファンキーな赤羽の先住民との交流から自己を取り戻す『山田孝之の東京都北区赤羽』。山田孝之が、突如カンヌ最高賞を受賞したいと言い出したことにより、盟友・山下敦弘や主役の芦田愛菜(殺人鬼役!)を巻き込み、カンヌに向かったロードムービー『山田孝之のカンヌ映画祭』。
どちらもドキュメンタリーの形をとりつつ観せる、いわゆるフェイクドキュメンタリーなのだが、見ている我々は「フェイク」だとか「やらせ」だとか、そんな無粋な目線は抜きにして、狂っていく山田孝之を心から心配し、そして彼に振り回される映画監督山下敦弘に心から同情した。
そんな山田孝之×テレ東の組み合わせ。しかし、今回画面上に山田の盟友山下の姿はないようだが……。
■説明を聞いてもよくわからないまま番組は進む
水原アナの横には、同じく司会で「旗振り役」と紹介されたいとうせいこうが過剰に真剣なトーンでこの番組の意図を語っている。いとうが言うには「山田孝之君がこの番組を通して、日本に、世界に元気を送る、良い元気、幸せな元気を送っていく」とのことなのだが、説明を聞いてもさっぱりわからない我々をよそに、番組はどんどん進んでいく。どこか懐かしい、この置いてけぼり感。
公式Twitterですら「なんせ緊急生放送なんで番組内容はよくわかりません」とつぶやくありさま。
幾何学的なオブジェに囲まれたスタジオの中央には、山田孝之本人がご本尊のように鎮座し、両手を大きく広げ何か瞑想をしている。
番組の意図はよくわからないが、とにかくすごいことが始まりそうなのは間違いない。いとうが言うには、山田はもうすでに日本中に元気を送っている、とのこと。
『演技入門』のゲストとして呼ばれていた、紀里谷和明(映画監督)、小池栄子、松岡茉優も、そのまま出演。それぞれに真剣なトーンで山田孝之をユリ・ゲラーや、はたまたUMAのごとく熱く語る。
特に松岡にいたっては「今回、『元気を出す』じゃなく『送る』じゃないですか? 私『送る』って言葉がすごく響いてて、なんか今日はものすごい奇跡の体験をできるだろうし、俳優として新しいステージを山田さんが見せてくれると思うとなんかこう、わなわなします」と、文字に起こしてみても何一つピンとこない内容を、情感たっぷりに語っており、女優として大事な時期なのに、心配だ。
とにかくよくわからないが、生放送の間に、鎮座し瞑想している山田が世界中に正体不明のパワーを送り、何かとんでもない奇跡を起こす……というのが見どころの番組らしい。
この後、こんな番組をやることになったかという経緯をまとめたVTRが流れる
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事