中国で龍の骨を発見!? 海外メディアは大騒ぎの一方、中国メディアは“黙殺”の謎……
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中国で驚くべき発見がされたと、 今月17日にイギリスのメディアが一斉に報じた。 河北省張家口市陽原県の農村で同14日、 伝説の動物である龍の骨が発見されたというのである。
その模様を撮影したビデオを見ると、 出土した骨の長さは全長約50メートル。頭から尻尾まで、 ほぼ完全な形で現れたという。
映像では、角が生えている頭部から蛇のように細長く肋骨が続き、 途中には短い手足の骨が見える。地面に置かれた骨の周りでは、 多くの地元住民が取り囲むようにしてそれを見ている。
この映像がネットにアップされるや、すでに1, 000万回を超えるビュー数を記録している。 これに素早く反応したのが、タブロイド紙の「ミラー」や「 デイリー・メール」といったイギリスのメディアだったのだ。
陽原県からは約200万年前の旧石器時代の遺跡が発見されており 、古代からこの一帯では人々が暮らしていたという。 そんな古い一帯だけに、 もしかしたら本当にここに龍がいたのではないか…… というわけである。
しかし、頭部をよく見ると、牛か羊の骨のようにも見える。 中国の多くのネット民たちは、 これを映画か何かのための作り物であると断定し、 単なるネタと見ているようだ。 住民の中には頭の部分に乗っかって写真を撮っている者もいて、 これがいたずらである何よりの証拠だとしている。
イギリスのメディアも、 本当に龍が見つかったものとして報じているわけではないのだが、 肝心の中国メディアのほうはといえば、 普段ならこんなネタでも面白おかしく取り上げるところだが、 このニュースをほぼ黙殺。報じている媒体が見当たらない。
折しも首都・北京では、5年に1度開催される「 中国共産党全国代表大会」が10月18日から開かれており、 習近平国家主席による権力集中強化が進んでいる。 古代の中国では龍は皇帝の象徴ともされており、 今回の龍の骨発見のニュースは、 時期的にややできすぎの感もある。
ましてや河北省は、 かつて習主席が勤務していたこともあるゆかりの地で、 今年4月には、 北京に次ぐ副都心として省内に雄安新区を設けることを発表してい る場所でもある。
今回のニュースが“ネタ”であることは間違いないが、 果たして誰がどんな目的で出してきたのか、 そちらのほうが興味深い。
(文=佐久間賢三)
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