一日使える無料乗車券配布で話題沸騰! 23区のローカル線「池上線」でどこへ行く?
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来たる10月9日(月・祝)。東急池上線が、開通90周年を迎えたことを記念して、始発から終電まで、一日乗り降り無料乗車券を配布することになり、反響を呼んでいる。
東急池上線は、1922年に池上本門寺の参詣客の輸送を目的に、蒲田~池上間で開通。その後、1928年に蒲田~五反田間が開通したもの。当初は、五反田から先、白金・品川間へと延伸することも計画されていたが、計画は頓挫。その後、国分寺方面への延伸も成功せず、現在は東急線の中で多摩川線と並ぶローカル感溢れる路線として営業されている。
そんな路線で行われる、日本の鉄道史でも珍しい全線無料のサービスは、さまざまな意味で話題だ。まずは、池上線の輸送力の限界。池上線は、車両がわずか3両だけ。果たして、無料ということでやってくる乗客を、どれだけさばくことができるかは心配だ。
もちろん、各駅のホームも3両編成に合わせた狭く短いもの。毎年、池上本門寺のお会式の際には大混雑するが、それを超えた混雑になることは想像に難くない。そんな、池上線始まって以来の一日を、東急がどう乗り越えるのかに、多くの人が注目しているのである。
さて、そうした混雑は承知の上で池上線を楽しみたいという人が、まず考えるのは「どんな観光地があるのか」ということだろう。
これまで、池上線が取り上げられる時に、必ず紹介されるのは、まず戸越銀座商店街。
日本有数の長さを誇る商店街は、多くの総菜屋が並ぶ「買い食いスポット」として知られている。
けれども、ここはあまりにも定番過ぎ。
本当に池上線の真髄を知りたいなら、おすすめなのは旗の台駅から先、蒲田駅あたりまでのゾーンでの各駅下車である。路線や車両のローカル感から東京南部の下町を走る路線と思われがちな池上線。でも、実態は下町っぽい町と、ちょっと高めの住宅地とが渾然一体になった奇妙な町なのである。
例えば、旗の台駅。大井町線との乗り換え駅であるここは、超オシャレタウン・自由が丘まで電車で10分程度にもかかわらず、下町感が全開。おまけに、急行運転の実施を機に近代的につくり変えられた大井町線ホームに対して、旗の台駅は、いまだにホームのベンチが木製の長椅子という昭和の雰囲気全開。こんなギャップが見られるのも、東京でここだけであろう。加えて、駅前から荏原町・中延方面へ伸びる商店街の鄙びた感じは、もっと街歩き系の媒体などで取り上げられるべき逸材だ。
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