シュワルツェネッガーの鋼の筋肉が役に立たない!航空事故が生んだ哀しい復讐鬼『アフターマス』
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アフターマス(aftermath)とは戦争や災害などの余波、後遺症のこと。アーノルド・シュワルツェネッガー主演作『アフターマス』は、2002年にドイツ南部上空で起きた「ユーバーリンゲン空中衝突事故」の顛末と、事故から2年後に生じた悲劇を描いた実話系映画だ。これまで数々のアクション大作で凶悪犯や宇宙人と戦ってきたシュワルツェネッガーだが、本作では家族を奪われた怒りから事故を招いた管制官に襲い掛かるという、あまりにも哀しい復讐鬼を演じている。
モスクワを発った旅客機とバーレーン籍の貨物機が高度1万メートルの高さで空中衝突し、両機に乗っていた71人が全員死亡した「ユーバーリンゲン空中衝突事故」。本作では事故を引き起こした管制官、事故によって家族を失った被害者遺族との双方の視点が並行する形でドラマが進んでいく。
ジェイク(スクート・マクネイリー)は妻と息子を愛し、民間の航空会社で管制官としてマジメに働く、ごく普通の市民だった。だが、その日のジェイクにはあまりにも不運な条件が重なり過ぎた。いつもと同じように2人体制で管制室に詰めていたが、1人が食事休憩のために管制室から離れていく。さらに、その日は管制室の電気系統のメンテナンスが行なわれ、航空機や空港との連絡が一時的に繋がりにくい状態となっていた。そんなとき、モスクワから南下する旅客機と北上する貨物機が異常接近する。両機に備えてある空中衝突防止装置(TCAS)が警告を知らせるが、他のトラブルの処理に追われていたジェイクは対応が遅れた。ジェイクは慌ててTCASとは逆の指示を旅客機に出し、ジェイクの指示に応じた旅客機とTCASの指示に従った貨物機は空中衝突してしまう。レーダーから2つの機影が忽然と消え、ジェイクは戦慄する。
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