感謝もありつつ……福祉現場からも『24時間テレビ』に批判噴出「企画力のなさ、実力のなさの問題」
#日本テレビ #24時間テレビ
さまざまな意見が飛び交う中、今年も日本テレビ系でチャリティー番組『24時間テレビ 愛は地球を救う』が8月26、27日に放送された。ネット上や一部タレントからは、かなり厳しい批判的な意見も噴出しているが、その一方で……。
日本テレビから寄付金による福祉車両を受け取ったことのあるというNPО法人の役員は「賛否はありますが、福祉業界への貢献度はとても高くてありがたいと思っているのが実情です。ウチも含め助かっている団体も多い。その実績は、社会全体でもっと評価してあげてもいいと思います。さらに国や県などができない、難病患者支援や身体障害者補助犬への支援なども行っている。今年で『24時間テレビ』の打ち切りも議論の俎上に載せられていましたが、福祉業界としてはこのまま続けてほしいというのが本当の思いです」と話す。
日本テレビによると、第1回から贈呈した福祉車両の台数は昨年までで1万0,648台にのぼる。贈呈の福祉車両もメーカーと研究や改良を重ね、車いす移送車両や訪問入浴車さらに就労支援や訪問介護など団体のニーズに応えることができるオーダーメイドの車両を贈っているという。
ただ、放送される内容には、福祉関係者も首をかしげているようだ。
前出のNPО法人の役員も「放送される企画自体が美談に仕立てられ、福祉を美化する傾向にある。障害者、介護の現場はもっと生々しくて、苦しいのが現状です。そういう現実を伝えないから『偽善番組』だとか『見せ物にしている』という非難が出るのでしょう。現実は現実として、日ごろのニュースやドキュメンタリー番組で伝えられないようなことを放送しないといけません。これはテレビ局員の企画力のなさ、実力のなさによるものかもしれません」と声をひそめる。
一方で、チャリティー番組でありながら、出演者に高いギャラを払っていることも批判にさらされている。
「スポンサーがついているのだから、ギャラが発生するのは当然といえば当然。イメージが良くなり、毎年ある程度の視聴率も見込めるから、企業もスポンサーにつきやすい。もちろん、出演者のギャラは、スポンサーからの収入で賄われているわけで、募金から支払われているわけではないんですよ。さらに萩本欽一さんは全額を寄付していましたが、裏でタレントがギャラの何割かを寄付している場合も多い。ネット社会の特性上、いいことをするとなぜか批判を受けたり否定的な事を言われるという風潮がある。この『24時間テレビ批判』においても、そういう側面がありますね。一部タレントもネットに便乗して、ブログなどで、辛辣な意見を述べてますが、きちんと日本テレビ側もそういった誤解や批判に対して、説明する時期に来ているのかもしれません」(テレビ局関係者)
いい意味でも悪い意味でも『24時間テレビ』の賛否がまだまだネット上を騒がせそうだ。それだけ注目を集める番組ということなのだろう。
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