来年で10周年……赤字続きの吉本『沖縄国際映画祭』が「引くに引けない」ワケとは?
#吉本興業 #沖縄国際映画祭
2009年に始まって、毎年開催されている吉本興業の『沖縄国際映画祭』。すでに来年の開催も決定しているが、お笑い関係者は「正直、赤字続きで、いつやめてもおかしくない状態です」と、声を潜める。そもそも同映画祭が始まったのは、大崎洋社長の“鶴の一声”だったという。
「もともとはパチンコメーカーの京楽と組んで、将来的に沖縄に造られるかもしれないカジノを含む統合型リゾートの利権に食い込むのが狙いだったとされています」(前出関係者)
しかし現時点では、その目的が大きく転換しているとのことだ。
「現状では沖縄に統合型リゾートができるという確約もないし、京楽がその担い手になるとも限らない。吉本としても、今の体制でカジノ利権を手にできる可能性は、決して高くないわけです。にもかかわらず沖縄にこだわり続けるのは、“大崎社長が沖縄の地元の人々と仲良くなりすぎたから”だそうです」(同)
頻繁に沖縄へ足を運んでいるという大崎社長。地元の企業や実力者たちとのコネクションも、相当強固なものとなっているようだ。
「大崎社長は沖縄をエンタメの拠点にしたいとの構想を掲げています。それは本当なんでしょうが、それと同時に、沖縄の関係者に“お金を落としたい”という側面もあるようですね。例えば、映画祭の時は東京や大阪から吉本の若手芸人が多数沖縄に駆り出されるわけですが、芸人たちが泊まるホテルは大崎社長とつながっている業者だとか。それが高級なら別にいいんでしょうが、ちょっと狭めの部屋に何人もの芸人が入れられてしまうそうで、不満も出ているようですよ」(同)
当初の目的とはだいぶ異なる方向へ進んでいるといえそうな吉本の沖縄戦略だが、そこで浮上したのがスクール事業。吉本は、この7月から8月にかけて「ラフ&ピース ツアー 2017」として、エンタメ業界を体験するワークショップを、沖縄を中心に開催。芸人・パフォーマーだけでなく、エンタメ業界の裏方や、マンガやアニメを制作するクリエーターの育成に取り組んでいる。さらに来年4月には、エンタメ関連人材育成のための専門学校を沖縄に開校することも決定している。
「大崎社長としても、沖縄とのつながりが強すぎて、もはや引くに引けない状況。でも、ただ映画祭を開くだけだと、赤字が増えていってしまう。それならば、いっそのこと沖縄にエンターテインメントの拠点を作って、ビジネスが成立するようにすればいいのでは? という発想のようですね。エンタメのスクールを作るのはその足がかりなんだと思います」(同)
映画祭は来年で10周年を迎える。この10年で吉本が沖縄にもたらしたものはなんなのか、そして今後、何をもたらしていくのか。しっかり見届ける必要があるだろう。
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