マラソン・原裕美子の万引き事件、関係者が「元選手が食べていくのは難しい」と証言も
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人気マラソン選手の“第2の人生”は、あまりにも寂しいものだったようだ。大阪国際女子マラソンで優勝し、世界選手権でも入賞歴のあるマラソンランナー・原裕美子容疑者が万引きで逮捕された。
栃木県警足利署によると、7月30日の夕方4時すぎ、セブンイレブン足利大月町店で飲料水や化粧品など8点、約2,700円相当を盗んだ疑い。原容疑者は容疑を認めているという。
原容疑者を知るマラソン関係者は「原さんは最近、派遣社員をやっているというウワサだった」という。
「正直、マラソンランナーのセカンドキャリアは決して楽じゃないんですよ。一般的には、一定の実績があれば陸上部のある大企業で、引退後も社員として頑張れるって話だけど、陸上しかやってこなかった人が、そういう企業で周囲のエリート社員と同じように働くのはなかなか大変」(同)
原容疑者も実業団で走ってきた身だが、約4年前に退社していた。足利市出身の35歳。高校卒業後に京セラに入社し、初マラソンとなった2005年の名古屋国際女子で初優勝を果たした。世界陸上でも日本トップの6位。07年の大阪国際女子で優勝、2時間23分48秒の記録で翌年の北京オリンピック代表に早々内定したが、悲運にも胃腸炎などの体調不良で選考レースが走れず、その後の不調で代表入りはならなかった。
翌年に京セラを退社し、10年に小出義雄監督率いるユニバーサルエンターテインメントに入社。北海道マラソン優勝を果たしたが、座骨神経痛などの負傷が原因でそれ以上の成績は残せず、13年に退社。以降は各地の大会でゲストランナーを務めたり、市民ランナーのコーチをしていた。
昨年、原容疑者のマラソン講座を受講した市民ランナーによると「年間5回で2万円、15人ぐらいの人が参加していました。1回3時間、ケガをしにくい走り方を教えてもらったんですが、さわやかな方で教え方も丁寧だった。全盛期だった頃より美人に見えた」という。
ただ、前出関係者によると「そういう企画が年中たくさんあるわけじゃないから、本職をほかに持ちながら休日にやるアルバイトにしかならない」という。よほどの有名人でもない限り、フリーの元選手がマラソンで食べていくのは、かなり難しいようだ。
「盗んだものが生活用品だというなら、生活が苦しかったとしか思えない。それなら相談してほしかったし、あまりに悲しい」と関係者。
原容疑者は最近、スポーツ用品メーカーとの契約で独自のサポーターを監修して発売間近だったというが、今回の事件でそれもお蔵入りとなってしまいそうだ。県内では知られた人物だっただけに、足利署内でも、かなり驚く署員がいると聞く。わずか3,000円足らずの犯行でかつての栄光に泥を塗ったのは、ファンにとっても悲痛に聞こえる事件だ。
(文=片岡亮/NEWSIDER)
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