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【wezzy】

沢尻エリカ、北川景子、柴咲コウに「気が強そうで彼女にしたくない」はびこる男女のステレオタイプ

 「美人が『キレイ』で世界を救う!」が謳い文句の、小学館が運営するwebメディア、「美レンジャー」が「顔はタイプだけど、気が強そうで彼女にはしたくない芸能人」というランキングを発表している。

 その記事の序文には、こうある。

<「すごく美人だけど性格がキツい……」そんな人、周りにもいるのではないでしょうか。気が強い女性に惹かれる男性がいる一方、苦手という意見も当然あるもの。そこで今回『美レンジャー』では、20~40代の男性500名を対象に「顔はタイプだけど、気が強そうで彼女にはしたくない芸能人」について独自調査を実施しました。その結果をご紹介するとともに、男性から“気が強い女だな”と思われてしまう言動についてお伝えします。>

 “男性は気の強い女性が嫌い”であるのは自明のこととされているようだ。その記事によれば、20~40代男性が選んだ「顔はタイプだけど、気が強そうで彼女にはしたくない芸能人」のトップ10は以下の通りだった。

1位:沢尻エリカ
2位:北川景子
3位:柴咲コウ
4位:ダレノガレ明美・武井咲
6位:広瀬すず・菜々緒
8位:加藤綾子・滝川クリステル・ローラ

 目力があったり、きりっとした顔立ちの芸能人が多い。こうした結果を受けて、記事では、1位の沢尻エリカは<可憐な顔立ちなのにもかかわらず、さまざまな言動から“気が強い”というイメージを持っている人が多いのかもしれませんね>と分析。2位の北川景子、3位の柴咲コウについては以前“女子が憧れる目”というアンケート調査のランキングでトップ2入りしていたことに触れ、<どうやら多くの女性が憧れる顔は、男性からは気が強く見えてしまうようです>。

 そもそも「気が強く見られる」ことの不利益がどこにあるのかわからないが、記事はランキング紹介にとどまらず、今度は「男がドン引き!『気が強い女』と思われる言動とは」と題して、女性のどんな言動に対して男性は“気が強い”と引いてしまうのかが紹介され、そう思われないためのアドバイスが展開されていく。あるあるなのだが、男性に「気が強い女」と思われる言動3つは、

●常に会話の主導権を握っている
●人の短所や気に入らないことばかりに目をつける
●「~してあげた」という考え方や発言が目立つ

と、どれもこれも「非常識な振る舞い」なだけで、「気が強い」かどうかは関係ないのではと思わされるものばかりだった。

 気が強い=我が強い、負けん気が強い、気性が激しい、勝気といった意味合いで使われることが多く、“女性的”ではないことから、男性が敬遠すると言いたいのだろうし、男性は女性によって“立てて”もらいたい生き物だという前提に即してもいるのだろう。

 気が強い女認定されて敬遠されないためのアドバイスはどれも「人としてもっとも」な内容なのだが、どうしてこれが「女性」に限定されるのか、不可解である。(1)~(3)のような特徴を持った人間は、老若男女問わず敬遠されると思うのだが。

 そもそも「気が強い」という表現自体、多くは女性に向けて使われている(あるいは子供)。たとええば漫画やテレビドラマの登場人物紹介にあたって「気が強い性格」とか「勝気」というキャラ設定をされるのは女性キャラだ。男性キャラを「気が強い」と紹介したケースは見覚えがない。逆に「気が弱い」は比較的、男性キャラの紹介に頻用される。

 これは男女の性格がステレオタイプ的に区別されているからだろう。男性は気が強く・女性は気が弱いのがデフォルトであり、そうでないことが珍しいから特筆されたりキャラクターとして成立したりする、ということだ。

 それにしてもこうしたランキング、投票ユーザー側が「彼女にしたくない」と言ったところで、タレントは「だから何なんだ」としか言いようがないだろう。最初から選択権などない。また、一般女性からしてみても、男性に「気が強そうだから」という理由で「彼女にしたくない」と言われたとき、「ハァ?」となるのではないだろうか。性別役割分業だけでなく性格まで男女で「男はこう、女はこう」と分けられては、たまったものではない。

 先日、テレビ番組で戸田恵梨香を「気が強い」と評し、それを理由に男性から結婚を敬遠されるのではという話が展開されていたことも記憶に新しいが、男女のステレオタイプからいい加減に解放されてはどうだろうか。

最終更新:2017/08/18 07:15
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