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詐欺で逮捕の“早稲田のゴッドハンド”接骨院院長に余罪多数の疑い「いつの間にか交通事故専門に……」

詐欺で逮捕の早稲田のゴッドハンド接骨院院長に余罪多数の疑い「いつの間にか交通事故専門に……」の画像1交通事故治療情報センターより

 整骨院や接骨院による療養費の不正受給事件が相次いでいる。そのため厚生労働省は来年度から、カルテの提示を求めるなど審査を厳格化する方針だが、親子3代のマッサージ師「早稲田のゴッドハンド」は、それとはまた違う、保険金詐欺をやらかしていた。

 東京・新宿区の北原整骨院で院長を務めていた北原靖朗容疑者は、交通事故でケガをした男とともに、通院日数を水増しして保険会社から約80万円を騙し取った詐欺の疑いで逮捕された。

 来院した患者の会社役員、守屋義善彦容疑者に「通院日数が多いほど儲かる」と犯行を持ち掛け、昨年3月から6月にかけ、本来3日間ほどで終わるはずの治療を55日間の通院に水増しし、その分の保険金を保険会社から騙し取った疑いが持たれている。

 警視庁によると、2人は容疑を認めているというが、北原容疑者には他にも複数の水増し診療をしていたと見て余罪を調べている。

「早稲田のゴッドハンド」を自称してテレビ出演などもしていた北原容疑者は、2000年に早稲田大学近くで開院し、「祖父の代から3代続く100年の歴史がある特製の軟膏を使う、世界一極上の治療」「しっかりした治療をすれば後遺症を0%に近いところまでもっていける」などとして、メディアにも出演。以前、同院に通院したことがある元スポーツ選手によると「まさかあの先生がそんなことをするとは驚き」だと言っている。

「僕はそんな話を持ちかけられたことはなく、誠実な先生という感じだったんですけどね。ただ、気になったのは以前は、早大のスポーツマンとか診ていたみたいだったのに、少し前に急に交通事故の治療専門になっていたんですよ。もしかすると、事故の治療で水増しをやって、味をしめたのかもしれませんね。ゴッドハンドとか人気の先生とか言うわりに、予約はいつもすぐ取れていたし、院内が混雑していた様子を見たこともなかったので」(同)

 ホームページには「交通事故治療延べ300人、一般患者様11万人以上の症状改善を実現してきたゴットハンド」と記され、「メディアにも多数取り上げられております!」と自慢げにその腕を宣伝していた(6月8日現在はメンテナンス中)北原容疑者だが、交通事故患者にターゲットを絞ったのが保険金詐欺を狙える目的だったというのなら、余罪が多数出てきそうでもある。

 また、前出の元選手は、北原容疑者には「早大女子大生へのナンパ」疑惑もあったと話す。

「以前は、早大の女子大生の恋愛相談を無料で受けるなんて治療と無関係なことを宣伝していたんですよ。実際に相談した女子大生が北原先生に食事に誘われたとかいうウワサもあって、整骨院はナンパ目的でやっているのか、なんて言っている人もいました」

 そのあたり仕事への集中力が高くはなかったのか、北原容疑者はホームページに「ゴルフばかりやっているうちに未だ独身ですが」と治療とは無関係なことを書いてもいた。

 いずれにせよゴッドハンドの評判を地に落とした今回の事件、その父親で「ゴッドフィンガー・キタハラ」といわれる「北原接骨院」の北原康矩院長に話を聞いてみた。

「(犯行は)初めてではないと思いますが、うちとは一切関係ないこと。(本人には)まだ接見禁止ですが、『身体も心もリニューアルしてこい』と言いたい。逮捕は私と会った直後のことだったのでショックでした」

 父親に責任のある話ではないが、“神の一族”の看板に泥を塗ったことは間違いなさそうだ。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

最終更新:2017/06/09 13:14
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