映画監督の願望と性癖が露呈する新作ロマンポルノ『ジムノペディに乱れる』&『風に濡れた女』
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昭和世代には懐かしく、平成生まれには新鮮に感じられる日活ロマンポルノ。1971年~88年に量産された成人向けプログラムピクチャーのブランド名であり、セックス抜きでは語ることができない大人の恋愛事情を赤裸々&しっぽりと描いた名作が少なくない。若手女優・橋本愛が高校卒業後にハマっていたことをカミングアウトするなど、ロマンポルノを彩ってきた女優たちの官能美に魅了される女性ファンも近年増えつつある。そんな時流に乗って、企画されたのが「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」。行定勲、塩田明彦、白石和彌、園子温、中田秀夫といった脂が乗り切った時期にある実力派監督たちが、それぞれオリジナル作品でエロスを題材に競作を果たしている。
第1弾を飾るのは、『世界の中心で、愛を叫ぶ』(04)以降も『今度は愛妻家』『パレード』(10)、『ピンクとグレー』(16)が高く評価されている行定勲監督の『ジムノペディに乱れる』。若手時代に麻生久美子&つぐみ主演作『贅沢な骨』(01)で官能表現に挑んだ行定監督だが、メジャー進出後はごぶさた状態。今回の日活からのオファーに意欲をみせ、2本のオリジナル脚本を書き上げている。1本は映画業界に伝わる伝説を描いた本作で、もう1本はスカトロものだった。後者は日活からNGを出されたが、行定監督は「そっちは自主制作でやる」と意気込むほど、「オリジナル脚本で官能映画を」という日活からのオーダーに触発された。エリック・サティの代表曲をタイトルに使った『ジムノペディに乱れる』の主演男優は板尾創路。『私の奴隷になりなさい』(12)で壇蜜を相手に濃厚な調教プレイを見せた名優・板尾が孤高の映画監督に扮し、毎晩違う女たちと交わる愛欲まみれの1週間が描かれる。
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