格闘技『RIZIN』視聴率“大健闘”報道の違和感「実際には時間帯最下位だったのに……」
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25日にさいたまスーパーアリーナで行われた総合格闘技イベント『RIZIN FIGHTING WORLD GP 2016 無差別級トーナメント』のテレビ平均視聴率は、多くのメディアが「8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)」と強調し、「健闘した」という論調で伝えていたが、これは2部構成の後半部分の数字であり、実際の全体平均は7.2%と低調なもの。前半は6.2%で、主要6局中、最下位だった。つまり、各メディアが煽るほど「大健闘」だったわけではないのだ。
番組は19時からフジテレビ系が3時間の特番で放送したが、実は区分けされた視聴率のうち、もっとも高かったのは冒頭部分の9.4%だった。そこから数字は急落。おおよそ20時30分ごろまでが6.2%で、そこからラストまでが8.5%。
冒頭部分はミュージックビデオのようなオープニング映像が長々と流された後、「俺以外は全員カスなんで」と大口を叩いた総合格闘技初挑戦のキックボクサー、木村・フィリップ・ミノルが、アメリカの中堅選手チャールズ・ベネットにパンチ一発、わずか7秒でKO負けしたあたりまで。
この時間帯は日本テレビの『世界の果てまでイッテQ!』が17.5%でトップ、次にNHK『ニュース7』が16.3%。ほかは7~9%で、ここだけ見れば3位の『RIZIN』は確かに健闘している。
しかし、中盤の6.2%は時間帯最下位。冒頭部分を見てチャンネルを切り替えた人が多数いたわけで、他局で番組の変化があったのはNHKの『ダーウィンが来た!』(12.1%)、『真田丸』(15.7%)で、ここにも遠く及ばず、ひとつ上の5位でもTBS『ピラミッド・ダービー』が7.2%と、1ポイントも離されていた。
後半8.5%は結果から言えば、6局中4位でしかない。TBSは21時からの『林先生が驚く初耳学!』が前番組から3ポイント以上もアップの10.9%、テレビ朝日も『必殺仕事人2016』が前番組から1ポイントアップの10%と上がっており、数字が落ちたのはNHKがニュースの後『縮小ニッポンの衝撃』が『RIZIN』と大差ない8.4%だった。その下はテレビ東京の池上彰による特番で7.4%。『RIZIN』は健闘といえるほどのものではないことがわかる。
番組のメインは総合格闘技デビュー2戦目となるシュートボクシングの女王、RENAが、プロ転向初戦のレスリング元世界王者・山本美憂との美女対決を絞め技で制したものだったが、イベント主題にある「無差別級トーナメント」の方は、本職の総合格闘家が出ていた中でも6試合中4試合が放送されず、代わりにRENAと山本の紹介映像が繰り返し流れていた。競技性よりも話題性重視にシフトした上でこの視聴率という点から見ても、目標値はもっと高かったはずだ。
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