福山雅治、轟沈──!フジテレビ『ラヴソング』は、なぜ“史上最低の月9”になったのか
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フジテレビ月9『ラヴソング』最終話は視聴率9.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。全話平均は8.4%と、月9史上最低の結果になりました。
前クールの『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』で、9.7%と初めて2ケタを割り込んだのに続き、連敗となった同枠。『いつ恋』では盛んに「それでも若年層は熱を持って見ている」「評価は高い」とアピールされていましたが、『ラヴソング』は内容的にも惨敗だったと思います。今までの月9を全部見ていたわけではないですが、名実ともに「史上最低の月9」だったのではないでしょうか。
というわけで、最終話です。
第8話で佐野さくら(藤原さくら)の喉にガンが見つかるというアクロバティックな展開を登場させたことで、この作品は第1話~第7話までの伏線を回収しつつ、8・9話でひん曲げてしまったプロットを、なんとかしてエンディングに落とし込む必要が出てしまいました。この最終話は、『ラヴソング』1~7話と『ラヴソング』8・9話という2本のドラマを同時に終わらせなければいけないという、ものすごい無理難題が課せられたわけです。
まあ、そんなことできるわけなくてね。
吃音の少女が親友・真美(夏帆)の結婚式でスピーチをするために、勇気を持って治療を始める。その治療の過程で元ミュージシャンの神代(福山雅治)に出会い、歌を歌うことに目覚め、歌に支えられて成長し、ついにその日を迎える。1~7話のクライマックスである結婚式は、最終回開始5分で処理されました。
続いて、喉のガンによって声を失うかもしれない。先延ばしにすれば命にもかかわる。その手術も「無事終了」ということで、こちらもあっさり解決。ここまで16分です。
たった16分で、お話はだいたい全部終わりました。あとは、全話を通じて脚本を紆余曲折させながらあちこちにバラ撒かれた伏線を回収して、辻褄を合わせるだけの時間に費やされます。もう誰が主人公とか関係ありません。というか、もう辻褄を合わせる努力も放棄しているように見えました。それっぽく、それっぽく。ただそれだけ。
退院後、さくらは姿を消します。真美によれば、結婚式のときには出ていくことを決めていたそうです。結婚式の直前、さくらは空一(菅田将暉)と同棲していました。遊園地デートしたり、路上ライブしたりもしました。神代と一緒に新曲「soup」も完成させました。それからたった数日の間に、夜逃げを決意したんだそうです。
空一には「気持ちに応えられない」、真美には「先生(神代)への気持ちを絶ち切れない」と書き残し、さくらはどこかへ行ってしまいました。
真美は、「さくらの気持ち、知ってたんでしょ!」と神代を突き飛ばします。どうやら神代は知ってたみたいですけど、わたしたち視聴者はよく知りません。遊園地で、路上ライブで、空一と過ごすさくらは楽しそうだったし、少し前には海辺で子どもに「わたしは強くなった」「わたしは幸せだ」なんて偉そうに説教してたし。直後に姿を消すようなことをすれば、あの子どもにもウソを言ってたことになりますからね。あの子どもは幼少期のさくら自身だったはずなのにね。
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