マンUが未来を捨てた!? 「絶対優勝させる監督」と「絶対優勝させる選手」獲得で……
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サー・アレックス・ファーガソンが退任した2013年以降、マンチェスター・ユナイテッドは凋落の一途を辿っている。リーグ優勝争いからは遠ざかり、今シーズンは最低限の目標であるチャンピオンズリーグ出場権すら獲得できなかった。ここ2年で補強のために使った資金は400億円以上ともいわれているが、結果は全く出ていない。
そんなマンUが来シーズンに向けて、パリサンジェルマンからスウェーデン代表FWイブラヒモビッチと、チェルシーからジョゼ・モウリーニョ監督を獲得したと、地元紙が報じている。地元紙によると、モウリーニョの年俸は昨季の4億円の倍以上のおよそ30億円といわれており、現時点では世界最高年俸の監督になる見通しだ。イブラヒモビッチの年俸はまだ明らかにされていないが、中国からの年俸95億円というウソのようなオファーがあったことを考えると、それなりの金額になるだろう。
この2人のすごいところは、金額だけではない。なんとイブラヒモビッチは、アヤックス、ユベントス、インテル、バルセロナ、ミラン、パリサンジェルマンと、プロのキャリアをスタートさせたマルメ以外の全てのクラブを優勝に導いているのだ。さらに過去15年で優勝を逃したのは、たったの2回。その2回も、しっかりと2位につけているのだから、イブラヒモビッチの化け物ぶりがわかる。
一方のモウリーニョもすごい。03年にFCポルトでポルトガルリーグとチャンピンオンズリーグを制覇して以降、チェルシーで3回、インテルで2回、レアルマドリードで1回と、指揮したクラブ全てでリーグタイトルを獲得。コーチ時代もバルセロナとポルトで優勝を経験している。まさに世界最高の優勝請負い人コンビといえるだろう。しかし、ファンから聞こえるのは、単純に喜びの声だけではなさそうだ。
「怪物と呼ばれているイブラヒモビッチも、今年で35歳。さすがにあと数年トップで活躍するのは難しいでしょうね。さらにモウリーニョは、伸び盛りの若手よりも確かなベテランを重宝し、長期的なプランを持たないことで有名です。ファンからは『イブラはうれしいけど、この先どうするんだろう』『マンUは未来を捨てた』『とりあえずの補強感が否めない』と不安の声も聞こえてきます」(スポーツライター)
仮に来シーズン良い成績を残せても、本当の意味で低迷期を脱したことにはならないというわけだ。そう考えると、それほど大きな補強もせずに若手の育成をしっかり行い、27年間も世界のトップに立ち続けたファーガソンの偉大さが痛感させられる。
(文=沢野奈津夫)
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