「消火器を持って農民と戦え」!? 土地所有権をめぐり、中国・校長が地元住民との決闘に全学生投入
2016/04/21 14:00
#中国 #東アジアニュース
早朝、指定の集合場所に集められた学生たち
「人間の盾」とは戦争や紛争において、敵が攻撃目標とする施設の内部や周囲に民間人を配置するなどして、攻撃を牽制することをいう。もちろん国際法上は「戦争犯罪」とされており、近年では湾岸戦争の際、フセイン大統領(当時)が日本人を含む外国人を軍事施設に移送して盾としたこともある。
しかし今回、中国でまさに“犯罪”に匹敵するような「人間の盾」騒動が起こった。「新京報」(4月12日付)によると、河北省にある河北美術学院(学生数1万人)で、土地の所有権をめぐり学校側と地元農民が衝突。4月10日夜、学校側が学生たちに対して「11日の授業はすべて休講する。全学生は早朝7時にジャージを着用し、指定の場所に集合すること」という内容の緊急通知を発した。
乱闘現場に続々と送られる学生たちの様子
実際の乱闘現場の様子。消火器でお互い応戦しているのがわかる。積まれているレンガも、武器として使用された
この時点では、多くの学生たちは植林活動などの課外活動を行うものだと考えていたという。ところが当日の朝、集合場所に集まった彼らが目にしたのは、消火器やこん棒、レンガを手に学校側の警備員と乱闘している農民の姿だった。実際に現場で学校側と農民の衝突を目の当たりにした学生は「学校長が拡声器で指示を出し、警備員がブルドーザーや消火器、唐辛子スプレーで農民と戦っていた」と証言している。
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